日銀金融政策正常化へ向け一歩、植田日銀総裁のタカ派発言もあり円買いが優勢

【米国】米経済指標が予想を下回り、パウエルFRB議長の利下げ言及発言でドル売りが優勢

為替(2024年8月1日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   149.97 (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.0825  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   162.35   (円)
ポンド円          GBP/JPY   192.79  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.2855  (米ドル)

 
7月31日のニューヨーク外国為替市場は、日銀の金融政策正常化が進み始めたことを受けて全般で円買いが優勢となった。ADP雇用統計(予想:15.0万人、結果:12.2万人)や第1四半期雇用コスト(予想:1.0%、結果:0.9%)が予想を下回る結果であることが伝わると、全般ドル売りが優勢となった。FOMCでは政策金利据え置きが発表されたが、パウエルFRB議長の「利下げが近付いているという感触は得ている」「9月FOMCで利下げが選択肢になる可能性もある」との発言で、利下げ期待が高まったこともあり、ドル売りを後押しした。
 
米ドル円は、植田日銀総裁の記者会見を受けて金融政策の正常化がさらに進むとの観測が高まると全般で円買いが先行した。7月ADP雇用統計や第1四半期米雇用コスト指数が予想よりも弱い内容だったことがわかると、ドル売りも優勢となった。FOMCでは米政策金利を5.25%ー5.50%に据え置くことを決定したが、パウエルFRB議長の発言で9月利下げを示唆する発言があると、ドル売りが優勢となり149.60円まで値を下げ3月19日以来の安値を付けた。
 
ユーロドルは、ユーロ圏消費者物価指数速報値(予想:2.8%、結果:2.9%)が予想を上回った事が分かるとユーロ買い・ドル売りが先行した。米経済指標が予想を下回ったことが伝わるとドル売りが強まり、22時台には1.0849ドルの日通し高値を付けた。ただFOMCの発表を控えていることもあり持ち高調整目的の売りが入りユーロ売り・ドル買いが進行。FOMC直後には1.0801ドルと日通し安値を更新した。
 
株式
NYダウ平均       USD   40,843.51   +99.53(+0.24%)
NASDAQ総合    USD   17,598.17    +456.19(+2.66%)
S&P500             USD     5,522.09      +86.71(+1.59%)

株式市場では、パウエルFRB議長がFOMC後の会見で9月利下げの可能性について言及すると主力株に買いが集まり、NYダウ平均は一時450ドル超上昇した。ただ18日に付けた取引時間中の最高値41,376.00ドルに接近した場面では利益確定目的の売りが出て伸び悩んだ。ハイテク株比率が高いナスダックでは大幅に反発し、高PERのハイテク株に買いが入った。
 
債券・商品先物
米国債10年                              4.033%    (-0.108)
NY原油(WTI)     USD/バレル   79.16        (+4.35%)
NY金(COMEX)  USD/オンス   2,493.4     (+1.52%)
 

【日本】日銀金融政策決定会合にて、政策金利を0.25%程度とすることを決定

 
為替(17時)
7月31日の東京外国為替市場は、日銀金融政策決定会合にて「現行の0-0.1%程度としていた政策金利を、0.25%程度に引き上げることを決定した」と発表した。また国債の買い入れ額についても四半期ごとに4,000億円程度減額する方針であることを声明発表した。植田日銀総裁の記者会見では「追加利上げで経済・物価が減速するとは考えていない」といったタカ派発言も円買いを後押しすることとなった。


米ドル円は、日銀金融政策決定会合を控えて荒い値動きで一時153.34円まで上値を伸ばした。その後日銀が0.25%まで利上げを発表すると、一時151.64円まで円が急落した。しかし声明文が「長期金利が急激に上昇する場合には機動的に国債買い入れ増額などを実施する」といった事で、153.88円まで急騰した。植田日銀総裁の記者会見では、タカ派寄りの発言が確認されると、再び円買いが再燃し150.60円まで下げ幅を拡大した。
 
ユーロドルは、円主体の動きとなる中で、じり高に推移し正午過ぎには1.0830ドルまで上値を伸ばした。ただ上値は限定的で、夜に米FOMCなど重用イベントが控えていることもあり、1.08ドル前後での動意が薄いレンジ内での値動きとなった。
 
ユーロ円は、ドル円の上昇に連れて165.96円まで上値を伸ばしたが、日銀の金融政策発表を前に上値が重たくなった。日銀の金融政策発表後には、164.17円まで急落後に166.53円まで急騰する荒い値動きとなった。植田日銀総裁のタカ派発言を受け日経平均先物は大幅安となり円買いが優勢となるなかで163.00円まで大幅に値を下げた。
 
債券
10年長期金利  1.045%    (+0.044)
 

【市場主要イベント】
1日  英   政策金利発表
     米   ISM製造業景況指数
2日  米   雇用統計
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