日銀金融政策決定会合にて0.25%据え置きが決定されたが、植田日銀総裁のハト派発言で円売りが加速した

【米国】ウォラーFRB理事の発言を受けて、ドル売りが優勢となった

為替（2024年9月21日  6時00分）
米ドル円          USD/JPY   143.87 (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1161  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   160.58   (円)
ポンド円          GBP/JPY   191.50  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3314  (米ドル)

 
9月20日のニューヨーク外国為替市場は、ウォラーFRB理事は米政策金利について「雇用市場が悪化すれば、再び0.50%の利下げの検討もあり得る」「データが軟調になれば、利下げペースが速まる可能性がある」と話したことで、ドルの上昇にはやや重しとなった。ただ、週末ということもあり引けにかけてはもみ合いが続き方向感はなかった。
 
米ドル円は、米10年債利回りが3.72％までやや上昇したこともドル買い・円売りを後押しし、144.43円まで上昇した。ただ買いが一巡後は伸び悩んだ。植田日銀総裁の会見後に2円以上の上昇したこともあり、週末を控えたポジション調整目的の売りも出た。またウォラーFRB理事がハト派な発言をしたことも相場の重しとなった。
 
ユーロドルは、対円でドル高に傾いていることが相場の重しとなり、1.1152ドルまで押し戻された。ウォラーFRB理事がハト派発言をしたことでドル売りが進むと、1.1176ドルまで持ち直した。もっとも欧州時間に付けた1.1181ドルの日通し高値がレジスタンスとして意識されると上値は重たくなった。
 
株式
NYダウ平均       USD   42,059.49          +29.40(+0.06%)
NASDAQ総合    USD   17,951.05           -60.46(-0.33％)
S&P500             USD     5,702.11           -12.03(-0.21%)

株式市場では、NYダウ平均が小幅ながら続伸し、史上最高値を更新した。米大幅利下げが景気を支えるとの期待が引き続き相場の支えとなった。ただ、週末を控えて利食い売りなども出やすく、上値は重たかった。ハイテク株比率が高いナスダックは、前日ぶりに約2か月ぶりの高値を更新した後だけに、利益確定目的の売りがでた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500も反落した。
 
債券・商品先物
米国債10年                     　　       3.741%     (+0.026)
NY原油（WTI）     USD/バレル   72.25        (+0.11%)
NY金（COMEX）  USD/オンス   2,647.1     (+1.35%)
 

【日本】植田日銀総裁のハト派発言を受け、全般で円売りが加速した

 
為替(17時）
9月20日の東京外国為替市場は、日銀金融政策決定会合の結果公表を控えている中で、クロス円は神経質な動きが続いた。12時前には日銀金融政策決定会合で政策金利を0.25%に据え置いたことが伝わると、一時円売りが進んだが、その後はすぐに円買いが優勢となった。15時30分からは植田日銀総裁の発言が始まり、「経済・物価見通しが実現していけば政策金利を引き上げる」とした一方で、今後の利上げを急いでいない旨の発言をしたことで、「利下げを急がない姿勢」との見方が強まり円売りが加速した。
 
米ドル円は、日銀金融政策決定会合の結果公表を前に、ややドル売り・円買いが優勢となった。12時前には政策金利を0.25%に据え置くことが発表された。一時142.70円まで上昇するも頭を押さえられ15時台には141.73円まで下押した。その後植田日銀総裁の会見にて「経済・物価見通しが実現していけば政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」とした一方で、為替動向や物価上振れリスクが相応に減少していることで時間的に余裕がある」「ただちに見通しの確度が高まり、すぐに利上げとはならない」と追加利上げに慎重な姿勢を示したことで、円売りが加速した。
 
ユーロドルは、日銀金融政策決定会合の結果公表を前に円主体の相場であることもあり、小幅な値動きでの揉み合いが継続した。日銀金融政策決定会合の結果公表で政策金利を0.25％に据え置いたことを受けてドル円が下値を広げていることもあり、ややドル売りが優勢となり1.1169ドルまで上値を伸ばしたが、上値は重たく方向感は出なかった。欧州勢が参入後には欧州通貨のポンドが対ドルで上昇した動きも支えにユーロ買い・ドル売りが進行し、1.1181ドルまで上値を伸ばし日通し高値を付けた。
 
ユーロ円は、ドル円の値動きに連動する形で徐々に下値を広げたが、日銀の金利据え置きが伝わると159.30円まで上昇後に158.41円まで下値を広げた。もっとも植田日銀総裁の記者会見では、「利下げを急がない」といった発言をしたこともあり、円売りが加速し161.15円まで上値を伸ばした。
 
債券
日本国債10年　　　0.853%     (+0.007)