米経済不安が高まる中で、リスク・オフのドル売りが全般で優勢となった

【米国】トランプ大統領のＥＵへの関税発言をきっかけに、欧米株式市場は急落した

為替（2025年5月24日  6時00分）
米ドル円          USD/JPY   142.55(円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1357米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   161.92(円)
ポンド円          GBP/JPY   192.89(円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3538(米ドル)

5月23日のニューヨーク外国為替市場は、米大統領のEUに対する50％の関税を課すことを示唆したことで、全般でドル売りが優勢となった。ただベッセント財務長官が「トランプ大統領がEUに50％の関税を示唆したしたのは、EUのペースに対する反応だ」と示したことでドル売りの勢いは止まった。もっとも、積極的に買い戻す展開とはならず、反応は一時的だった。

米ドル円は、トランプ大統領が来月からEUに対して関税を50％課す方針を示したほか、「アップルがiPhoneを米国内で生産しなければ少なくとも25％の関税を支払うことになる」と表明すると、米国株相場が下落し、リスク・オフの円買い・ドル売りが優勢となった。ベッセント財務長官が「トランプ大統領がEUに50％の関税を示唆したしたのは、EUのペースに対する反応だ」
との見解を示したことでいったん下げ渋ったが、上値は重たかった。

ユーロドルは、トランプ大統領が「6月からEUに対して50％の関税を課すことを提案する」と自身のSNSに投稿すると、欧米株式市場は下落し、欧州債利回りも低下しユーロ売りが優勢となった。欧米株相場の売りが一服し下げ渋ると、ユーロも買戻しが進み1.135ドル台を回復した。市場では「貿易摩擦は欧米双方に悪影響となるため、最終的には合意に至るだろう」との予想も聞かれた。

株式
NYダウ平均       USD   41,603.06                      -246.00(-0.58%)
NASDAQ総合    USD   18,737.21                      -186.02(-0.98%)
S&P500             USD     5,802.83                           -38.16(-0.65%)

株式市場は、トランプ大統領がＥＵに対して50％の関税をかけると表明すると、コメ関税政策の不透明感が再び強まり、売りが先行した。ＮＹダウ平均は寄り付き直後には500ドル超値を下げたが、徐々に買戻しが優勢となり下げ幅を縮めた。

債券・商品先物
米国債10年                                   4.509%     (-0.022)
NY原油（WTI）     USD/バレル   61.37        (+1.52%)
NY金（COMEX）  USD/オンス   3,357.7     (+1.89%)
 

【日本】米関税政策による

為替(17時）
5月23日の東京外国為替市場は、トランプ政権の関税政策が米財政に悪影響を及ぼすとの懸念が高まる中で、全般でドル売りが優勢となった。また、コメ市場が3連休前ということもあり、ポジション調整目的のドル売りも入ったこともドル売りを促した。

米ドル円は、トランプ政権による大型減税を背景とした米財政悪化の懸念が一段と高まる中なかで、全般でドル売りが先行した。米国市場が3連休前となっていることから調整目的の売りも入り、17時前には143.23円まで下押した。

ユーロドルは、米財政悪化懸念を背景としたドル売りが進んだ流れに沿って、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。一時1.131ドル前後でもみ合う時間もあったが、欧州勢参入後には再びドル売りが優勢となり、17時前には1.1343ドルまで上値を伸ばした。

ユーロ円は、全般でドルがらみの取引が中心となったことや、ドル円の下落とユーロドルの上昇に挟まれる形で、方向感は出ず162.40円前後でのもみ合いに終始した。

債券
日本国債10年 1.549%     (-0.026)