【今週のハイライト】日銀早期利上げ観測の後退や米経済指標の良好な結果から、ドル買い・円売りが優勢となった

為替(2025年7月4日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   144.92(円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1756(米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   170.36(円)
ポンド円          GBP/JPY   197.76(円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3653(米ドル)

 
米ドル円
30日(月)は、週末にトランプ大統領が日本との自動車貿易に不満を表明したことを嫌気して、早朝には一時144.37円まで下押した。その後は月末・四半期末ということもあり、東京仲値にかけては買いが強まり、144.76円まで上値を伸ばした。ただ、仲値通過後は本邦輸出企業の売りが持ち込まれたほか、上昇していた日経平均株価が上げ幅を縮小したことで、売りが強まり16時台には143.78まで売られた。東京時間の下落の反動から買いが先行し23時前には144.51円まで上値を伸ばしたものの、米シカゴPMIや米10年債利回りの低下が相場の重しとなり、引けまでには143.95円まで売り戻された。またトランプ大統領は自身のSNSで「日本は大規模なコメ不足に陥っているが、米国から米を買おうとしない」と投稿し、日本が米国産コメの輸入に消極的であることに対して新たな関税を課す構えを見せた。
 
1日(火)は、日銀短観が予想よりも強い内容となったほか、日経平均株価が軟調に推移したことを受けて売りが強まり一時143.43円まで下押したが、売り一巡後は買戻しが入り143.93円まで買い戻された。ただ、買戻しは限定的で、米10年債利回りが低下していることなども背景に再びドル売り円買いが強まり、143.06円まで下押した。米10年債利回りの低下を背景に21時過ぎには142.68円まで下押した。ただ、6月米製造業購買担当者景気指数改定値や6月米ISM製造業景況指数・米雇用動態調査求人件数が市場予想を上回ったことも相場を下支えし、午前4時30分過ぎには143.80円まで買い戻された。
 
2日(水)は、日経平均株価が安く寄り付いたことで9時過ぎには一時143.32円まで下落したものの、日経比叡金株価が徐々に下げ幅を縮めたことで11時過ぎには、143.62円まで買い戻された。その後は143.46円まで売り戻されたものの、米10年債利回りの上昇などを背景に16時台には144.05円まで上値を伸ばした。欧州時間前半には144.24円まで上値を伸ばしたことから買い圧力が強かったものの、NY市場では上値が重たかった。6月ADP雇用統計で政府部門を除く非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に下回ったことが分かると、円買い・ドル売りが先行した。一時143.48円まで下押したものの、アジア時間につけた安値143.32円が目先のサポートとして意識されると再び買い戻された。
 
3日(木)は、東京オープン後には143.44円まで下押したものの底値は固く下げ渋った。本邦実需の買いが観測されたほか、タカ派で知られる高田日銀審議委員が「年内の利上げの可能性は予断を持って語るべきではない」と発言したことも円売りを誘い、15時台には143.93円まで上値を伸ばした。ただ、英債利回りが低下して始まると、時間外の米10年債利回りも低下しドル円も上値が抑えられた。良好な米雇用統計の結果を受けて全般でドル買いが先行し145.23円まで上値を伸ばした。その後は利益確定目的の売りに押される場面もあったが、23時発表の米ISM非製造業景況指数が市場予想を上回ったことで再び強含んだが、高値更新することはできず145円前後でもみ合った。
 
ユーロドル
30日(月)は、ドル円の下落に伴ってユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1.1738ドルまで上値を伸ばした。その後は徐々に上値を切り下げ13時前には1.1711ドルまで下押したものの、時間外の米10年債利回りが下落に転じたことで、ドル売りが優勢となり16時前には1.1750ドルまで上値を伸ばした。21時30分過ぎには1.1707ドルまで下押したものの、6月米シカゴPMIが市場予想を下回ったことで、全般でドル売りが優勢となった。前週末高値を上抜け、引け前には1.1787ドルまで上昇した。トランプ大統領がパウエルFRB議長の解任について示唆したことで、米早期利下げが実現するとの思惑もドル売りを促した。
 
1日(火)は、ドル円の下落に伴い買いが先行し10時台には1.1806ドルまで上値を伸ばした。もっとも1.18ドル台では利益確定目的の売りも入り、すぐに押し戻され1.17ドル台後半でもみ合いが続いた。16時過ぎには一時1.1767ドルまで下押したものの、オセアニア通貨に対してドル売りが進んでいることで、ユーロドルも下げ渋った。欧州時間序盤には1.1829ドルまで上値を伸ばしたものの、買い一巡後は徐々に上値が重たくなった。市場予想を上回る米経済指標や米10年債利回りが上昇したことで一転して売りが優勢となり、午前2時前には1.1761ドルまで売られる展開となった。なおパウエルFRB議長は「FOMC当局者の大多数が年後半に追加利下げが適切と判断」と述べた。
 
2日(水)は、東京仲値通過後に買いが続き1.1809ドルまで上値を伸ばしたものの1.18ドル台では利益確定目的の売りに押され失速した。米10年債利回りの上昇なども重しとなり、1.1770ドルまで下値を拡大した。ポルトガル中銀総裁は「現時点で利下げを急ぐつもりはない」などと発言したが、為替相場への影響は限定的だった。米10年債利回りの上昇を背景にユーロ売り・ドル買いが先行すると、21時前に一時1.1747ドルと日通し安値を付けた。ただ、この日発表のADP雇用統計が市場予想をを下回ったことを受けて、ユーロ買い・ドル売りが優勢となると午前5時前には1.1802ドルまで上値を伸ばした。
 
3日(木)は、東京オープン後にはドル円が下げたこともあり、1.1809ドルまで上値を伸ばした。ただ、夜には米雇用統計の発表を控えていることもあり、1.1786ドルまで売り戻されるなど、様子見ムードが強まり1.18ドルを挟んでもみ合う展開となった。引け前には昨日大幅に売られた英国債に買戻しが入ると、ユーロドルも買いが優勢となり1.1809ドルまで買い戻されたが、午前中高値に並ぶと伸び悩んだ。米雇用統計の良好な結果を受けてユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.1716ドルまで日通し安値を付けたものの、売り一巡後には買戻しが優勢となった。欧米株価の上昇を背景にリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが進み1.1789ドルまで買い戻された。ただ、その後は米ISM非製造業景況指数が市場予想を上回ったことから、再びドル買いが優勢となり、1.175ドル前後でもみ合った。
 
ユーロ円
30日(月)は、ユーロドルが上昇した流れに沿って169.63円まで上値を伸ばした。ただ、ドル円が伸び悩み下落に転じたことを受けて、徐々に売りが優勢となり15時過ぎには168.69円まで売り押された。その後はドル円が買い戻されるにつれて徐々に買われたが、169.05円までにとどまった。
 
1日(火)は、市場予想よりも良好な結果となった日銀短観の発表や日経平均株価が軟調に推移していることで、全般で円買い圧力が強まった。13時ころにはやや買い戻されるも限定的で、欧州勢参入後には下げ足を速め17時過ぎには168.45円まで下押した。
 
2日(水)は、ドル円の上昇や日経平均株価の下げ幅縮小を受けて円売り・ユーロ買いが入り、一時169.53円まで上値を伸ばしたが、上値は重たく小幅なレンジでもみ合った。16時台には再び169.62円まで上値を伸ばしたが、一時的ですぐに売り戻された。
 
3日(木)は、ドル円の上昇につれて円売り・ユーロ買いが観測されたほか、高田日銀審議委員の発言をきっかけに円売りが優勢となると、徐々に下値を切り上げじり高に推移し17時過ぎには169.86円まで上値を伸ばした。
 
6月30日 9時00分 ~7月4日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY  142.68~145.23(円)
ユーロドル EUR/USD   1.1707~1.1829(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY  168.44~170.60(円)
ポンドドル GBP/USD   1.3562~1.3788(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  195.34~198.44(円)
 
株式
30日(月)は、米国とカナダの貿易交渉が進展するとの期待から投資家心理が改善すると、株買いが優勢となった。また月末・四半期末にからんだ買いも入りやすかった。またナスダックやS&P500では、史上最高値を更新した。
 
1日(火)は、米上院がトランプ大統領の減税・歳出法案を可決したことで、法案をめぐる不透明感がひとまず後退し株買いを促した。NYダウ平均は一時500ドル超上昇する場面もあった。連日で史上最高値を更新していたナスダックは利益確定目的の売りが出やすかった。
 
2日(水)は、NYダウ平均は前日に4カ月半ぶりの高値を更新した後だけに、利益確定目的の売りがでた。また6月ADP雇用統計が市場予想を大きく下回ったことも相場の重しとなった。その一方で、ハイテク株比率が高いナスダックやS&P500では史上最高値を更新した。
 
3日(木)は、6月米雇用統計が良好な結果であることが伝わると米景気懸念が後退した事で、主力株を中心に買いが入った。NYダウ平均は2月5日以来約5か月ぶりとなる高値となった。ナスダックやS&P500でも史上最高値を更新した。

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