【今週のハイライト】石破首相が辞意表明し、ハト派の高市氏が次期総裁の有力候補となると円売りが優勢となった

為替(2025年9月12日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   147.46(円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1694(米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   172.44(円)
ポンド円          GBP/JPY   199.53(円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3527(米ドル)

 
米ドル円
8日(月)は、石破首相が週末に辞任する意向を表明したことを受けて、次期政権での減税政策実現への思惑が高まり、上昇して始まり148.45円まで上値を伸ばした。日経平均株価が上昇していることも相場の支えとなった。もっとも買い一巡後には利益確定目的の売りが優勢となり17時過ぎには147.46円まで下押した。東京市場では日本の拡張財政政策への期待から円売りが先行したが、欧州市場以降は米利下げ観測の高まりから、ドル売りが優勢となった。147.70円前後でもみ合う展開が続いたが、引け前には一時147.34円まで安値を更新した。
 
9日(火)は、前日のニューヨーク市場で下落した流れを引き継ぎ、東京市場でも売りが先行した。特段新規の売り材料が伝わったわけではないが、15時過ぎには146.81円まで下値を広げた。もっとも欧州勢参入後には米10年債利回りが上昇したこともあり、147.31円まで買い戻された。米労働省統計局が雇用統計の年次改定で2025年3月までの1年間の雇用者数が91.1万人の下方修正になるとの推計値を公表した。この結果を受けて一時146.52円まで下押したものの一部では100万人規模の下方修正になるとの予想もあったことから、買いも入った。その後は米10年債利回りの上昇とともに買い戻され、引けまでには147.47円まで上値を伸ばした。
 
10日(水)は、前日のドル買いの流れを引き継いだことや、時間外の米10年債利回りが上昇した事を受けて買いが優勢となり10時台には147.58円まで上値を伸ばした。もっとも前日高値に面合わせしたところでは伸び悩み、売り戻された。もっとも下値も底堅く推移し、16時前には再び午前中高値に面合わせしたが再び伸び悩んだ。米労働省が発表した8月米卸売物価指数が市場予想よりも弱い内容だ他t事が伝わると、全般でドル売りが先行し、一時147.10円と日通し安値を更新した。ただ、ドル売りは一時的ですぐに持ち直した。その後は、米10年債利回りの低下に伴い上値が重たくなったが、大きな方向感は出なかった。
 
11日(木)は、147.40円前後でもみ合う展開が続いたものの、15時前にはハト派の高市氏が自民党総裁選への出馬意向を岸田前首相に伝えたとのニュースが伝わったことで、円売りが優勢となった。17時までには147.83円まで上値を伸ばした。米労働省が発表した消費者物価指数は概ね市場予想通りとなり、一時148.19円まで上値を伸ばした。もっとも8日高値の148.58円が目先のレジスタンスとして意識されると、失速した。また、前週分の新規失業保険申請件数が市場予想よりも弱い内容であることが伝わるとドル売りを促し一時146.98円まで下押した。
 
ユーロドル
8日(月)は、円主導の相場となったことから、大きな方向感は出にくかった。序盤はドル円の上昇から、ややドル買いが優勢となるものの底値も堅く小幅にもみ合った。もっとも、ドル円の伸び悩みもあり欧州勢がドル売りで参入したことで、17時過ぎには1.1743ドルまで上値を伸ばした。前週末に公表された米雇用統計の結果を受けて、次回FOMCでの利下げがほぼ確実視される中で、一部市場参加者の中では大幅利下げへの思惑も浮上していることから、全般でドル売りが優勢となり一時1.1765ドルまで上値を伸ばした。
 
9日(火)は、全般でドル安が進んだ流れに沿ってユーロ買い・ドル売りが優勢となった。15時前には一時1.1780ドルまで上値を伸ばしたものの、7月24日高値の1.1789ドルがレジスタンスとして意識されると伸び悩み、17時過ぎには1.1744ドルまで売られた。米労働省統計局の米雇用者数の年次ベンチマーク改定の速報値が伝わるとドル売りが優勢となり、1.1762ドルまで上値を伸ばしたもののすぐに失速した。米10年債利回りの上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢となると、一時1.1704ドルまで日通し安値を更新した。
 
10日(水)は、全般でドル買いが先行した流れに沿って1.1689ドルまで下押したものの売り一巡後にはショートカバーが入り1.1718ドル円まで買い戻された。もっとも欧州金利が低下して始まったことを受けて欧州勢がユーロ売りで参入したことで、1.1682ドルまで日通し安値を更新したが、その後はすぐにショートカバーが入った。8月米卸売物価指数が市場予想を下回ったことで、ドル売りが先行し1.1727ドルまで上値を伸ばした。その後はすぐに売り戻されたが、米10年債利回りが4.02%まで低下したことでドル売りが優勢となった。もっとも、明日には米CPIやECB定例理事会など重要なイベントが控えていることもあり、大きな方向感は出にくかった。
 
11日(木)は、早朝には1.1706ドルまで上値を伸ばしたものの、米10年債利回りが上昇したことを受けてドル買いが優勢となり、じり安に推移した。15時台には1.1683円まで下値を広げたが、ドル円とユーロ円が同時に上昇した影響を受けて、方向感なくもみ合う展開となった。米消費者物価指数発表後は一時1.1660ドルまで下押し日通し安値を付けたものの、売り一巡後は米10年債利回りの低下とともにドル売りが優勢となった。またラグルドECB総裁の発言もあり全般でユーロ買いが優勢となり、一時1.1746ドルまで上値を伸ばした。
 
ユーロ円
8日(月)は、週末の石破首相の退陣表明を受けて財政拡張政策への期待感から買いが優勢となった。一時173.91円まで急ピッチで上昇したこともあり、その後は伸び悩んだ。午後になると、ドル円の伸び悩みやユーロクロスの下落を受けて、17時過ぎには173.06円まで下押した。
 
9日(火)は、ドル円の下落とユーロドルの上昇に挟まれる形で、方向感なくもみ合う展開が続いたが、日経平均株価がマイナス圏に沈んだことを受けて15時台には172.92円まで下押した。その後は173.15円まで買い戻されるも戻りは限定的だった。
 
10日(水)は、ユーロドルが下落して始まったことでユーロ売りが先行して172.38円まで下押したが、日経平均株価が後場にかけて底堅く推移したことで徐々に買戻しが優勢となり、15時台には172.74円まで上値を伸ばした。ただ、欧州金利の低下を背景にユーロドルが下落すると、一転してユーロ売りが優勢となり172.38円まで下押した。
 
11日(木)は、ドル円同様に方向感なく小幅なレンジ内での上下が続く展開となった。高市氏の自民党総裁選出馬報道を受けて15時以降は円売りが優勢となった。17時までには172.83円まで上値を伸ばした。
 
9月8日 9時00分 ~9月12日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY  146.30~148.58(円)
ユーロドル EUR/USD   1.1660~1.1780(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY  172.13~173.91(円)
ポンドドル GBP/USD   1.3487~1.3590(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  198.79~200.34(円)
 
株式
8日(月)は、米景気悪化への懸念から売りが強まる場面もあったが、次期FOMCでの利下げ観測が高まったことで買いが優勢となると持ち直した。なお、ハイテク株比率が高いNASDAQでも上昇した。
 
9日(火)は、米株式市場主要3指数において史上最高値を更新した。米労働省が発表した米雇用統計の年次改定を受けて、9月の米利下げがほぼ確実視されたことが買いを誘った。もっとも史上最高値更新後には利益確定目的の売りも出たことでやや伸び悩んだ。
 
10日(水)は、8月米卸売物価指数は市場予想を下回り、米利下げを後押しする内容だったが、11日に控えたCPIの結果を見極めたいとの見方から、売りが優勢となった。また前日に史上最高値を更新したことから、利益確定目的の売りも出やすかった。その一方で、ナスダックやS&P500は再び史上最高値を更新した。
 
11日(木)は、米消費者物価指数や新規失業保険申請件数の結果を受けて、米利下げ観測が高まると主力株中心に買いが集まった。米主要3指数は史上最高値を更新した。
 

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