ウクライナ情勢に左右され値動き強まる

2022/02/15 7:43 JST投稿
 
 

【米国】

  • 為替(2月15日6時00分)

 米ドル円(USDJPY)    115.60-115.61 (円)
 ユーロ円(EURJPY)    130.57-130.58 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 1.1294-1.1295 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY)    156.35-156.35 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3523-1.3524 (米ドル)
 
2月14日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、ウクライナ情勢の懸念は続いているものの、ロシアのラブロフ外相が西側との対話継続をプーチン大統領に進言し、プーチン大統領はそれを了承した。また、米国は国境付近でロシアの兵力増強が「劇的に加速」していることが理由に、ウクライナの首都キエフにある大使館の機能を同国西部リビウへ一時的に移転すると発表している。
 
また、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5ポイントの利上げに踏み切るとの観測が強まっている中、米セントルイス地区連銀のブラード総裁はCNBCとのインタビューで、インフレ圧力の強まりから一段と速いペースでの利上げが正当化され、7月1日までに100ベーシスポイント(bp)の利上げが実施されるとの見方を改めて表明した。金融当局者の間では意見が割れており3月のFOMC前に公表されるインフレ指標に注目が高まる。
 
米ドル・円(USDJPY)は、115円後半から前半に値を落とした。ウクライナ情勢への懸念や米2年債と米10年債の利回り差が2020年4月以来の小ささとなり、この日の安値115.01円まで売られた。その後、ウクライナ情勢で対話が継続するとの情報やブラード総裁のタカ派的な発言から投資家心理が上向き、この日の高値115.75円に上昇した。さらに、ロシアが16日にウクライナを侵攻するとの情報が出ると再び値を落としたが、誤訳の可能性があるとの見方が出て値を戻し、終値は115.54円となった。
 
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、1.13ドル半ばから1.12ドル後半に値を下げた。ウクライナ情勢に左右され一時1.1342ドルに上昇したが、この日の安値1.1280ドルまで売られた。その後小幅に値を戻し1.1307ドルで終えた。
 
ユーロ・円(EURJPY)は、130円後半から前半中心の取引となった。ウクライナでの地政学リスクの高まりから131.21円付近まで値を下げたが、小幅に持ちなおし終値は130.64円だった。
 

  • 株式

 NYダウ平均  USD 34,566.17 -171.89 (-0.49%)
 NASDAQ総合  USD 13,790.919  -0.235 (-0.00%)
 S&P500      USD 4,401.67  -16.97(-0.38%) 
 
2月14日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、3日連続で前日の終値を下回った。ウクライナでの地政学リスクの高まりやセントルイス連銀のブラード総裁の積極的に金融政策正常化に向けたタカ派的な発言が影響し、売りが優勢となり14時頃に前日の終値から400ドル以上下げた。その後は、割安感が感じられ買戻しが入り値を戻したが、終日マイナス圏での取引となった。
 

  • 債券

 米国債10年 1.988(-0.045%)
 

  • 商品

 NY原油(WTI) 1バレル=USD 95.46 +2.36(+2.53%)(3月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,869.4  +27.30(+1.48%)(4月渡し)
 
 

【日本】地政学リスクが意識され小幅な動きに

  • 為替(17時)

2月14日の東京外国為替市場は、ウクライナ情勢での緊張感の高まりから投資家心理が悪化している反面、日本銀行の指値オペによる金融政策の緩和姿勢の継続が投資家心理に寄与した。
 
米ドル・円は115円前半中心で取引された。午前中にリスク回避の円買いが優勢となり、この日の高値115.60円まで値を上げていたが、欧州勢が参加するとドル買いが優勢となり17時時点では115.41円となった。
 
ユーロ・円は、131円前半中心での取引となった。朝方に、この日の高値131.39円まで上昇していたが、地政学リスクが意識され131円前半で値動きが少なかった。その後、欧州勢参加後に、リスク回避の動きが強まり17時時点では130.84円だった。
 
ユーロ・米ドルは1.14ドル付近中心の取引だった。朝方は、この日の高値1.1369ドルまで買われたが、徐々に値を下げ値動きが少ない展開となり、17時時点では1.1337ドルで取引された。
 

  • 日本株式

 日経平均株価     27,079.59円  -616.49(-2.23%)
  安値26,947.65円  -  高値 27,325.50円
 東証出来高 1,379,81万株
 東証売買代金 3兆1992.05億円
 
2月14日の日経平均株価は4日ぶりに前日の終値を下回り、大幅に下落した。ウクライナでの地政学リスクの高まりや早期の米金融政策の正常化に向けた動きによる投資家心理が冷え込みから、11時ごろに27,000円を割り込み、前日の終値から750円近くまで値を下げる場面もあった。米長期金利の上昇も影響が大きく、株価収益率(※)の高い成長株の売りが優勢となり、幅広い銘柄が売られ、東証1部の73%の銘柄で値を下げた。
 
(※)株価収益率(PER)とは、企業の成長性を分析する指標の一つ。株価が1株ごとの当期純利益の何倍まで買われているかを表しており、値が大きいほど割安となる。今のような長期金利の指標とされる10年債の金利が上昇している時は、PERの値より金利の方が大きくなり割安感が減るため、ハイテク株を中心としたPERの高い株の魅力が減少し売られやすい。
 

  • 短期金融市場

 無担保コール翌日物金利  -0.019%
 

  • 債券

 国債先物・22年3月限  150.06 (-0.01)
 10年長期金利  0.215%(-0.010)

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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