ウクライナ情勢の不透明な状況が懸念

2022/03/04 7:41 JST投稿

 

【米国】

  • 為替(3月4日6時06分)

米ドル円(USDJPY) 115.42-115.43 (円)
ユーロ円(EURJPY) 127.72-127.73 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.1065-1.1065 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 154.05-154.06 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3345-1.3346 (米ドル)

3月3日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、ロシアとウクライナが停戦協議再開を行なったものの、次回の交渉に持ち越されたことが投資家心理を悪化させた。さらに、プーチン大統領がマクロン大統領との電話会談で「いかなる状況でもウクライナにおける軍事作戦の目的を達成する」と述べた影響も大きかった。

朝方、発表された2月 ISM非製造業景況指数(結果:56.5、予想:61.0、前回:59.9)では、2021年2月以来、1年ぶりの低水準。また、前週分 新規失業保険申請件数(結果:21.5万件、予想:22.5万件、前回:23.2万件)は、2週連続で減少し雇用環境が改善していることが示された。

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が上院の公聴会で3月利上げに再び言及した。さらにウクライナ情勢を鑑み、慎重に政策を実施する上で不透明な状況が続くことを望んでおらず、利上げ率が状況により変更となる可能性も含んだ。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、1.10ドル半ばから1.12ドル前半に値を上げた。ロシアとウクライナの停戦協議が再開するも、次回の交渉に持ち越され2020年5月以来の安値1.1034ドルを付けた。しかし、交渉継続への安堵感の広まりから、小幅に持ち直し終値は1.1066ドルとなった。

ユーロ・円(EURJPY)は、128円半ばから127円後半に値を下げた。地政学リスクの長期化への懸念から株安となり、この日の安値127.59円まで売られた。その後、小幅に持ち直し終値は127.78円だった。

米ドル・円(USDJPY)は、115円後半から前半に値を下げた。弱い経済指標から値を落とし、さらに、ウクライナ情勢の不透明感からリスク回避の姿勢が強まり、この日の安値115.39円まで売られた。その後、小幅に持ち直し115.46円で終えた。
 

  • 株式

NYダウ平均 USD 33,794.66 -96.69 (-0.28%)
NASDAQ総合  USD 13,537.941 -214.075 (-1.55%)
S&P500     USD  4,363.49 -23.05(-0.53%)

3月3日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、前日の終値を下回った。ロシアとウクライナの停戦協議が引き続き続くことが好感され、過度な警戒感が和らいだ。また、ロシアが領空での航空機の飛行を禁止すると航空機受注への影響が懸念され前日比で-4.47%下落し、1銘柄でダウ平均を58ドルほど下げたことも影響が大きい。
 

  • 債券

米国債10年 1.842(-0.035%)
 

  • 商品

NY原油(WTI) 1バレル=USD 107.67 -2.93(-2.65%)(4月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,935.9 +13.60(+0.71%)(4月渡し)

 

【日本】地政学リスクの和らぎが好感

  • 為替(17時)

3月3日の東京外国為替市場は、前日にパウエル議長が利上げを明言した影響から過度な警戒感が和らいだ。ウクライナ情勢に関しても、ロシアとウクライナの停戦交渉が再び行われることになったこともプラスとなった。月初の決済に向けた買いも入り、堅調に推移した。

米ドル・円は115円半ばから後半に値を上げた。パウエル議長の積極的な金融政策正常化に向けたタカ派的な発言やウクライナ情勢での過度な警戒感の和らぎから、この日の高値115.74円まで買われた。2月28日の高値115.78円が上値抵抗線(レジスタンス)として意識され、ウクライナ情勢が依然、不透明な状況が続いており、上値は限られ17時時点で115.72円となった。

ユーロ・円は、128円前半での小幅な動きとなった。株高を受けつつも、地政学リスクは依然高い状況となっており、横ばいで推移した。17時時点では128.41円だった。

ユーロ・米ドルは1.11ドル前半から1.10ドル後半に値を下げた。原油高が欧州経済に与える影響の懸念から小幅に値を下げた。ウクライナ情勢での過度な緊張感が後退したことで、大幅な下落は回避された。17時時点では1.1096ドルで取引されている。
 

  • 日本株式

日経平均株価 26,577.27円 +184.24(+0.70%)
安値26,496.72円  -  高値 26,704.85円
東証出来高 1,234,94万株
東証売買代金 2兆7561.49億円
 
3月3日の日経平均株価は終日で、前日の終値を上回った。パウエル議長が議会証言で政策金利の引き上げを予想通り明言し、過度な警戒感が和らぎ幅広い銘柄が買われた。開始から堅調に上昇したが、ウクライナ情勢への警戒感から徐々に値を下げた。午後になると、様子見の姿勢が強まり横ばいで推移した。東証1部の65%の銘柄で値を上げている。
 

  • 短期金融市場

無担保コール翌日物金利 -0.009%
 

  • 債券

国債先物・22年3月限 150.81(-0.40)
10年長期金利 0.165%(+0.035) 

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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