米ドルが5年2カ月ぶりの高値118円台に

2022/03/15 7:38 JST投稿

 

【米国】

  • 為替(3月15日6時05分)

米ドル円(USDJPY) 118.15-118.20 (円)
ユーロ円(EURJPY) 129.29-129.40 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0946-1.0949 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 153.63-153.71 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3004-1.3009 (米ドル)

3月14日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測やインフレ懸念を受け、債券が売られ米長期金利先物が2.14%に上昇し米ドルが買われた。また、原油先物が下落したことも、投資家心理を上向かせている。さらに、明日、明後日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%の利上げが確実視されていることも、米ドルの上昇を支えている。

ウクライナ情勢で停戦に向けた協議の続行が好感されたが、中国がロシアに軍事、経済支援を行なう見方が強まり中国企業の米国預託証券(ADR)が株式市場で売られ、懸念が高まっている。なお、4回目の停戦協議は中断され明日、再び行われることになった。

米ドル・円(USDJPY)は、117円後半から118円前半に値を上げた。長期金利の上昇や利上げ観測の強まりから米ドル買いが優勢だった。ウクライナ紛争で停戦に向けた動きが続いていることも支えとなり2017年1月以来、約5年2カ月ぶりの高値118.22円に上昇し、終値は118.19円だった。

ユーロ・円(EURJPY)は、129円前半から半ばに値を上げた。ロシアとウクライナの停戦交渉への期待から2月28日以来の高値129.71円に値を上げた。その後は、ウクライナ情勢で進展がないものの、引き続き交渉が続くことが支えとなり小幅な下落にとどまった。終値は129.31円となった。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、1.09ドル半ばから始まり上昇したが再び下落し、1.09ドルに戻った。ウクライナ情勢で停戦協議への期待が高まりユーロが買われ、この日の高値1.0994ドルに値を上げた。しかし、米長期金利が上昇すると徐々に値を下げ、1.0940ドルで終えた。
 

  • 株式

NYダウ平均 USD 32,945.24 +1.05 (+0.00%)
NASDAQ総合  USD 12,581.220 -262.588 (-2.04%)
S&P500     USD  4,173.11 -31.20(-0.74%)

3月14日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、3日ぶりにわずかに値を上げた。原油先物が下落し、投資家心理が和らぎ11時に前日の終値から451ドル上昇する場面もあった。また、長期金利が2019年7月の水準に上昇し、ハイテク株が売られた。ロシアとウクライナが停戦好調に尽力しているとの見方が強まり投資家心理が上向いていたが、中国がロシアに軍事、経済支援を行なう見方が強まり、中国企業の米国預託証券(ADR)の売りが優勢となり徐々に値を下げ終えた。
 

  • 債券

米国債10年 2.141(+0.143%)
 

  • 商品

NY原油(WTI) 1バレル=USD 103.01 -6.32(-5.78%)(4月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,960.8 -24.20(-1.22%)(4月渡し)

 

【日本】米長期金利先物上昇から117円台に

  • 為替(17時)

3月14日の東京外国為替市場は、米長期金利先物が上昇した上、ウクライナ情勢で停戦に向けた協議を控え投資家心理が上向いた。

米ドル・円は117円後半に上昇した。米長期金利先物の上昇から日米金利差が意識され米ドル買いが優勢だった。朝方に2017年1月の高値117.88円まで上昇し、そのまま堅調に推移し17時時点で117.72円となった。

ユーロ・米ドルは1.08ドル後半から1.09ドル半ばまで上昇した。午前中は様子見の姿勢が強く横ばいで推移したが、米ドル買いが優勢となると徐々に値を下げた。その後、ウクライナ情勢の融和に向けた動きが好感され値を戻し、17時時点では1.0932ドルだった。

ユーロ・円は、128円前半から後半に上昇した。米ドル・円やユーロ・米ドルの上昇を受け、朝方は小幅に上昇した。その後は、様子見の姿勢が強く、ほぼ横ばいで推移し、17時時点では128.70円で取引されている。
 

  • 日本株式

日経平均株価 25,307.85円 +145.07(+0.58%)
安値25,299.64円  -  高値 25,631.01円
東証出来高 1,187,02万株
東証売買代金 2兆6680.61億円
 
3月14日の日経平均株価は再び前日の終値を上回った。前日に下げた反動から買戻しが入った。さらに、東京外国為替市場で米ドル円が117円台で推移し、割安感のある輸出関連株が買われた。政府がコロナウイルス対策を3月21日の期限で解除する検討に入っていることもあり、「GoToトラベル」の早期再開への期待が高まり、旅行や空運も上昇している。また、終日で前日の終値を上回った動きとなり、終日東証1部の66%の銘柄で値を上げている。
 

  • 短期金融市場

無担保コール翌日物金利 -0.011%
 

  • 債券

国債先物・22年3月限 150.24(-0.17)
10年長期金利 0.190%(+0.010) 

 

【マーケットアナリティクス】豪ドルは投資家心理が改善し下落(3月14日)

本日、豪ドル・米ドル(AUDUSD)は、米国の長期金利が最高値まで進み、米ドルが一部の通貨に対し強まったため、0.7%下落した。

豪ドルは、ロシア・ウクライナ戦争のネガティブなニュースニュースで上昇し、ポジティブなニュースで下落するという、かなり奇妙な動きを見せた。通常、豪ドルはその逆で、ポジティブなニュースでは上昇し、ネガティブなニュースでは下落する傾向がある。

しかしながら、FRBが今週にも利上げを開始しようとしており、AUDUSDは200日移動平均線(緑の線※)の上にとどまることができない。また、インフレが止まらないため、FRBは年内は利上げのペースを上げだろう。よって、次の下値支持線(サポート)は0.72ドル付近の50日移動平均線(紫のライン※)になる可能性があり、オージーがこれを割り込むと、0.71ドルに向かってさらに下落する可能性もある。

日足チャートでは、MACD指標(※1)が弱気(ベア)シグナルを発信しようとしており、今後数日間、弱気(ベア)バイアスをサポートする可能性が高い。

また、直近の上値抵抗線(レジスタンス)は、過去の高値と200日平均線が収束している0.73ドルになります。豪ドルがこのレベルを越えると、3月の高値0.7445ドルを目指して上昇を続ける可能性がある。

※移動平均線:一定期間(この場合は200日間と50日間)の終値の平均値の推移を折れ線グラフで示したもの。相場が上昇傾向にあるのか、下落傾向にあるのかといったトレンドを把握しやすい。

※1 MACD(マックディ)指標:「Moving Average Convergence Divergence」の略。相場の分析において過去の値動きから将来の値動きを予想するテクニカル分析の手法の一つ。 一定期間の平均値を線でつなぎ合わせた移動平均線を用い、価格の推移をグラフ化し短期と中長期の移動平均線の動きから早期の売買タイミングを判断するのに用いられる。
   
オーストラリアドル・米ドル、デイリーチャート 3月14日(CET・中央ヨーロッパ時間)

引用元: “Aussie Falls as Sentiment Improves” (2022年3月14日, AXIORY Global Market News)

追記:3月15日、日本時間6:05のオーストラリアドル・米ドルは0.7187-0.7189ドルで取引されている

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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