パウエルFRB議長のタカ派的な発言から米ドル買いに

2022/03/22 7:27 JST投稿

 

【米国】

  • 為替(3月22日6時00分)

米ドル円(USDJPY) 119.45-119.47 (円)
ユーロ円(EURJPY) 131.59-131.64 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.1015-1.1018 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 157.24-157.38 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3164-1.3174 (米ドル)

3月21日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、ウクライナ情勢の長期化への懸念が続いている。ロシア軍が南東部マリウポリの制圧を狙い、攻勢を強めウクライナに対して投降を呼びかけていた。しかし、ウクライナのゼレンスキー大統領が拒否した。また、ロシアに制圧されたチェルノブイリ原発で放射能監視システムや、周辺の森林火災消火サービスが機能不全に陥っていることも不透明感が高まる要因の一つとなっている。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が講演で、インフレ阻止に向け米連邦公開市場委員会(FOMC)の次回会合(5月3、4日)やそれ以降の会合で0.5%の利上げの可能性を示唆した。さらに、バランスシート縮小(保有有価証券の再投資の停止)も示唆した。また、リッチモンド連銀バーキン総裁が「インフレ抑制を目的に政策金利を50ベーシスポイント(bp=0.5%)引き上げることは可能」と発言。これらの、金融政策に積極的なタカ派的な発言を受け、長期金利が2.312%と2019年5月24日以来、約2年10ヶ月ぶりの高水準に上昇した。

米ドル・円(USDJPY)は、119円前半から半ばに値を上げた。ウクライナ情勢の不透明感を受けた有事のドル買いやパウエル議長やリッチモンド連銀バーキン総裁のタカ派的な発言から、長期金利が上昇。これを受け、この日の高値119.50円まで米ドルが買われ、終値は119.47円だった。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、1.10ドル前半で推移した。有事のドル買いやパウエル議長などの発言を受け、この日の安値1.1010ドルまでユーロが売られた。その後、小幅に値を戻し、終値は1.1016ドルとなった。

ユーロ・円(EURJPY)は、131円後半から前半に値を下げた。欧州時間に2月11日以来の高値131.97円までユーロが買われた。しかし、ウクライナ情勢への懸念が強まり、すぐに、この日の安値131.38円まで売られた。その後は、積極的な取引は控えられ、ほぼ横ばいで推移し、終値は131.61円だった。
 

  • 株式

NYダウ平均 USD 34,552.99 -201.94 (-0.58%)
NASDAQ総合  USD 13,838.460 -55.377 (-0.39%)
S&P500     USD  4,461.18 -1.94(-0.04%)

3月21日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、前日の終値を6日ぶりに下回った。パウエルFRB議長がインフレ阻止に向け次回5月のFOMCで0.5%引き上げの可能性が濃厚であることを示唆した。これを受け、幅広い銘柄が売られた。長期金利が一時2.312%と2019年5月以来の高水準に上昇したことや、ウクライナ情勢の長期化への懸念も強まったことも影響が大きく、3指数揃って売られた。
 

  • 債券

米国債10年 2.294(+0.141%)
 

  • 商品

NY原油(WTI) 1バレル=USD 109.97 +6.88(+6.67%)(4月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,929.5 +0.2(+0.01%)(4月渡し)

 

【日本】個人投資家中心の取引から値動きが大きい

  • 為替(17時)

3月21日の東京外国為替市場は、春分の日の祝日で、参加者が少なく方向性が出にくい状況だった。一方で、ウクライナ情勢長期化への懸念も続いている。

米ドル・円は119円前半で取引された。祝日で、機関投資家が不在の中、個人の取引中心となり狭い値幅ながら値動きは大きかった。17時時点では119.21円となった。

ユーロ・米ドルは1.10ドル前半から半ばに値を下げた。ウクライナ情勢の長期化懸念が強まり、値動きが出づらかった。欧州勢参加後は上昇し、17時時点では1.1050ドルだった。

ユーロ・円は、131円半ばから後半に値を上げた。ウクライナ情勢への懸念から、小幅な取引となった。連休の影響も強く、個人中心の取引で値動きが大きかった。日中は小動きにとどまっていたが、欧州勢参加後に小幅に値を戻し、17時時点は131.73円で取引された。

*祝日(春分の日)により、株式、債券等は休場

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