USDJPY 利益確定売りに押され 徐々に低下

2022/04/21 7:35 JST投稿
 

【米国】

為替(4月21日6時00分)
 米ドル円(USDJPY)    127.87-127.89 (円)
 ユーロ円(EURJPY)    138.77-138.80 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0853-1.0855 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY)    167.02-167.22 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3063-1.3068 (米ドル)

4月20日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、カザークス・ラトビア中銀総裁がブルームバーグのインタビューで7月の利上げもあり得ると発言した。ECBは着実に金融政策正常化に向け進んでおり、段階的に金利をゼロにした後プラスにしていくとも述べている。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)は地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表した。内容では、4月中旬まで経済は緩やかなペースで成長したものの、物価上昇や地政学の動向が不確実性をもたらし将来の成長見通しが厳しいことが示されている。

なお、ワシントンで行われた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、ロシア代表の発言時に退席など異例の展開が繰り広げられた上、共同声明の取りまとめが見送られている。

米ドル・円(USDJPY)は、日本時間に20年ぶりの高値129.40円を更新した影響から、利益確定の米ドル売りに押され、この日の安値127.46円まで売られた。その後は小幅な伸びにとどまり終値は127.86円となった。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、カザークス・ラトビア中銀総裁のタカ派的な発言からユーロが買われたこともプラスに作用し堅調に推移した。朝方に1.0822ドルまで値を下げたが徐々に値を戻し終値は1.0853ドルだった。

ユーロ・円(EURJPY)は、取引が限られ138円半ばで小幅に推移したが、終盤に値を上げ138.75円で終えた。

株式
 NYダウ平均  USD 35,160.79 +249.59 (+0.71%)
 NASDAQ総合  USD 13,453.065  -166.592 (-1.22%)
 S&P500      USD  4,459.45  -2.76(-0.06%) 

4月20日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、連日で前日の終値を上回った。企業の決算発表が本格化する中で、IBMやP&Gなど好調な決算を発表した銘柄が買われたことが貢献し堅調に値を上げた。一方で、ネットフリックスの会員数の鈍化による売りに連動しハイテク株が売られ、ナスダック総合指数でも値を下げ終えた。

債券
 米国債10年 2.832(-0.14%)

商品
 NY原油(WTI) 1バレル=USD 102.19 +0.14(+0.14%)(6月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,955.6  -3.4(-0.17%)(6月渡し)
 

【日本】USDJPY 20年ぶりの高値更新続くも下落

為替(17時)
4月20日の東京外国為替市場は、朝方に国内輸入企業の決算に向けた米ドル買いや日米金利差や原油価格の上昇から円安が進んだ。再び、2002年4月以来の高値を更新し129.43円を記録した。

米ドル・円は、朝方に20年ぶりの高値を更新したが、利益確定売りに押され128.06円まで売られた。その後は再び値を上げ128円後半に値を戻すも日米財務相会談を控え17時時点で128.65円となった。

ユーロ・米ドルは、米ドル・円で朝方米ドル買いが強まった影響から1.0784ドルまで売られた。その後は、徐々に値を戻し17時時点では1.0809ドルだった。

ユーロ・円は、朝方の円安を受け139.69円まで値を上げたが、ユーロ・米ドルの低下に引きずられ、この日の安値138.63円まで売られた。その後は持ち直し17時時点では139.07円で取引された。

債券
 国債先物・22年6月限  149.10(-0.20)
 10年長期金利  0.250%(+0.010) 
 

【マーケットアナリティクス】ユーロ・米ドルは、再び1.08を上回る水準に急上昇(4月20日)

水曜日、米ドルは利益確定売りに遭い、ドルインデックスが著しく下落した。

米ドル・円は20年ぶりの高値から1%下落し128円を割り込んだ。また、ユーロ・米ドルは半値上昇し、1.08ドルを超え取引きを再開している。

欧州中央銀行(ECB)の金融政策見通しについて、マルティンス・カザクス政策委員は、早ければ7月に利上げが可能であるとコメントした。また、ECBは金融政策を調整する前に、より強固な賃金の伸びを見るのを待つ必要はないとも述べた。

さらに、2月のユーロ圏の鉱工業生産は顕著に改善し、1月のマイナス1.5%から前年同月比2%に上昇した。その結果、前月比では-0.7%から0.7%に上昇した。

ユーロは1.08ドルを上回って推移し、直近の新たな安値への割り込みは今や弱気(ベア)の罠のように見える。しかし、1.08以上を維持する限り、短期的な見通しは強気であると思われる。

さらに、大きく売られすぎているためユーロが短期弱気(ベア)トレンドラインのある1.0850ドルを上回ると、回復ラリーに転じる可能性が高い。

また、投資家心理が再び悪化した場合、現在のラリーは、1.0760ドル付近の最近のサイクル安値を攻撃する前に、1.08ドルの下値支持線(サポート)をターゲットとして、すぐに売りが終わる可能性もある。

EURUSD Jumps Back Above 1.08

ユーロ・米ドル、デイリーチャート 4月20日(CET・中央ヨーロッパ時間)

引用元: “EURUSD Jumps Back Above 1.08” (2022年4月20日, AXIORY Global Market News)       

追記:4月21日、日本時間6:00のユーロ・米ドルは1.0853-1.0855ドルで取引されている

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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