2022/06/22 7:25 JST投稿
【米国】
為替(6月22日6時00分)
米ドル円(USDJPY) 136.61-136.67 (円)
ユーロ円(EURJPY) 143.96-144.00 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0532-1.0536 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 167.74-167.87 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.2271-1.2279 (米ドル)
6月21日のニューヨーク外国為替市場は、3連休明けで積極的な取引が行われた。再び欧米と日本の金融政策の違いによる円安が加速し、米ドル・円では24年ぶりの高値を更新している。
また、バーキン米リッチモンド連銀総裁は、米連邦準備理事会(FRB)が7月に政策金利を50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)もしくは75bp引き上げる公算が大きいとするパウエル議長のガイダンスについて「かなり理にかなっている」という見解を示した。
朝方に発表された5月中古住宅販売件数(結果:541.0万件、予想:541.0万件、前回:561.0万件)では、4ヵ月連続で減少し、2年ぶりの低水準となった。供給網や原材料費の高騰から物件価格が上昇し、さらに住宅ローン金利の上昇が足かせとなっていることが表れた。
米ドル・円(USDJPY)では、朝方に発表された5月中古住宅販売件数が予想通りの結果となり小幅な下げにとどまった。日米の金利差から136円台で推移し徐々に値を上げ、1998年10月以来、約24年ぶりの高値を更新し136.70円まで値を上げた。株価の上昇も後押しし、投資家心理が上向いた影響も作用し、終値は136.57円となった。
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁が、9月の欧州中央銀行(ECB)理事会での0.25%以上の利上げの可能性に言及し、この日の高値1.0582ドルを付けた。レーン総裁は、ロシアのウクライナ侵攻でインフレが高進しており、超金融緩和政策からの脱却を急ぐECBの決定が正当化されていると述べている。その後は、米長期金利の上昇から米ドル買いが出て、この日の安値1.0508ドルを付け、終値は1.0533ドルとなった。
ユーロ・円(EURJPY)は、欧州と日本の金融政策の違いが意識され徐々に値を上げた。終了直前に6月9日以来の高値水準の144.00円に上昇し終値は143.96円となった。
ポンド・米ドル(GBPUSD)は、イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏は、英国の物価上昇に弾みがつくリスクがあると指摘し、政策当局はインフレ抑制を図るため経済成長を犠牲にするだろうと述べた。さらに、金融政策の追加引き締めが今後数カ月間、必要になるとの認識を示すとともに、英中銀は「より積極的」に行動する用意があると述べた。この発言を受け、この日の高値1.2318ドルを付けた。その後は、1.2294ドルから1.2248ドル値を下げ、持ち直し1.2290ドルで終えた。
株式
NYダウ平均 USD 30,530.25 +641.47 (+2.14%)
NASDAQ総合 USD 11,069.952 +270.952 (+2.50%)
S&P500 USD 3,764.79 +89.95(+2.44%)
6月21日の米株式市場のダウ工業株30種平均は3日ぶりに前日の終値を上回った。先週末の大幅な下落を受け、買いやすい価格に下落した反動から幅広い銘柄が買われた。特にハイテク株や消費関連株が買われ、3指数揃って値を上げ終えた。
債券
米国債10年 3.279%(+0.04)
商品
NY原油(WTI) 1バレル=USD 109.52 +1.53(+1.42%)(7月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,838.8 -1.80(-0.10%)(8月渡し)
【日本】米国の休場受け積極的な動きなく
為替(17時)
6月21日の東京外国為替市場では、米国の休場を受け積極的な動きは出なかった。
米ドル・円は、堅調な株価から小幅に値を上げるも米国の休場を受け狭い値幅での取引となった。135円台前半中心での値動きとなり、17時時点では135.22円となった。
ユーロ・円は、欧州勢参加までは小幅な上昇だった。欧州勢が参加すると、欧州株の上昇からリスクを積極的に取る流れとなりユーロが買われた。6月9日以来の高値142.83円まで値を上げ、17時時点では142.74円で取引されている。
ユーロ・米ドルでは、朝方から徐々に値を戻し小幅に値を上げた。その後は、再び売りに転じるも欧州勢参加後、欧州株の上昇からリスクを積極的に取るリスクオンのユーロ買いが強まった。この日の高値1.0565ドルを付け、17時時点では1.0556ドルだった。
債券
国債先物・22年9月限 147.96 (-0.03)
10年長期金利 0.235%(+0.005)
【マーケットアナリティクス】ユーロ・米ドルは、1.06に向け前進(6月21日)
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、投資家心理の改善や米国の短期利回りがやや低下したことなどから米ドルを売り、ユーロが買われ1.0550ドルを上回る水準で急騰した。
■欧州問題
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、欧州議会での証言でユーロ圏の景気後退は「基本シナリオ」ではないと述べ、7月に主要金利を25ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)引き上げる意向を改めて示した。
また、ECB運営理事会のオッリ・レーン委員は「9月の利上げは25bpを上回る可能性が高い」と述べている。
市場は現在、今年の利上げを1%以上と見積もっているが、ECBは高インフレへの対応に遅れおり1%の利上げではインフレを止めることはできそうにない。
■EURUSD は強気に見えるか?
EURUSD は、ついに長期的な弱気(ベア)チャネルから抜け出し上昇につながる可能性が高いように見える。次の上値抵抗線(レジスタンス)は1.06ドル、そして6月の高値である1.08ドルだ。
下降局面でユーロは新たな安値を更新することができず、1.04ドルで下げ止まりしており、これも弱気(ベア)と解釈することができそうだ。よって、1.04ドルの下値支持線(サポート)が今週の取引における重要なレベルとなるだろう。
ユーロ・米ドル、デイリーチャート 6月21日(CET・中央ヨーロッパ時間)
引用元: “EURUSD Advances Toward 1.06” (2022年6月21日, AXIORY Global Market News)
追記:6月22日、日本時間6:00のユーロ・米ドルは1.0532-1.0536ドルで取引されている