米CPIの結果から9月FOMCでの大幅な利上げ観測強まる

2022/09/14 7:27  JST投稿
 
 

【米国】

為替(9月14日6時00分)
 米ドル円(USDJPY)    144.54-144.58 (円)
 ユーロ円(EURJPY)    144.07-144.22 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 0.9966-0.9972 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY)    166.03-166.23 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.1490-1.1493 (米ドル)
 
9月13日のニューヨーク外国為替市場では、8月の米消費者物価指数(CPI)が予想を上回る伸びを示し、米連邦準備理事会(FRB)が9月20、21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の3倍にあたる0.75%の利上げを実施する可能性が強まった。
 
8月米CPI(前月比、結果:0.1%、予想:-0.1%、前月:0.0%)は、ガソリン代で若干の軽減がみられたが、インフレの加速によって生活費の高騰が余儀なくされている状況を示している。依然として高水準の物価圧力が広範囲に及んでおり、FRBのインフレ目標達成は前途多難であることが示唆された。また、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPI(前月比、結果:0.6%、予想:0.2%、前月:0.3%)も大幅に上昇している。
 
なお、市場では1%の利上げ予想も浮上している。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループが政策金利(FF金利)先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、1.00%の利上げ確率が38%付近まで上昇した。
 
2年債と10年債(長期金利)の利回りは、50日連続で逆転(逆イールド)した。終値ベースで2年債が3.745%、10年債が3.412%となっている。
 
米ドル・円(USDJPY)は、朝方に発表される8月米CPIの改善期待から米ドル売りが先行し、この日の安値141.66円を付けた。その後、8月米CPIで強い結果が示されると一転して米ドル買いに転じ、この日の高値144.68円まで急激に値を上げた。その後は、小幅に売られたが9月7日の高値144.99円が上値抵抗線(レジスタンス)として意識されると値を戻し、終値は144.58円となった。
 
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、8月米CPIの発表を前に米ドルが売られると、この日の高値1.0187ドルに値を上げた。CPI発表後に急激に米ドル買いが強まるとともに、米長期債の上昇につられると大幅に値を下げている。その後は、徐々に値を下げ、終了間際に、この日の安値0.9967ドルを付け0.9970ドルで終えている。
 
ユーロ・円(EURJPY)は、米ドル・円とユーロ・米ドルの動きにつられた。朝方に、この日の高値145.13円まで値を上げたが、急激に値を下げ144.33円まで値を下げた。その後も、小幅な下落を続け、この日の安値144.03円を付けた後は小幅に持ち直し、終値は144.18円となった。
 
株式
 NYダウ平均  USD 31,104.97 -1,276.37(-3.94%)
 NASDAQ総合  USD 11,633.574    -632.837 (-5.15%)
 S&P500      USD  3,932.69  -177.72(-4.32%) 
 
9月13日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、5日ぶりに前日の終値を下回った上、大幅な下落となった。朝方に発表された8月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回り2年債が15年ぶりの水準に上昇し、景気悪化への懸念が強まっている。長期金利も大幅に上昇した影響から、午後になるとさらに値を下げ、終了間際に1,363ドルほど前日の終値を下回る場面もあった。今年最大の下落幅と下落率を記録し、主要3指数揃って値を下げている。
 
債券
 米国債10年 3.412%(+0.05)
 
商品
 NY原油(WTI) 1バレル=USD 87.31 -0.47(-0.54%)(10月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,717.4  -23.20(-1.33%)(12月渡し)
 
 

【日本】CPI発表控え様子見の姿勢強く

為替(17時)
9月13日の東京外国為替市場では、CPIの発表を控え様子見の姿勢が強まっている中、時間外の米長期金利が3.31%に低下し、米ドルが小幅に値を下げている。
 
米ドル・円は、CPIの発表を控え様子見の姿勢が強まり小幅な動きに留まった。一方で、時間外の米長期金利の低下から、米ドル売りが優勢となり前日の安値と同水準の142.03円まで値を下げた。その後は、小幅に値を戻し17時時点では142.25円だった。
 
ユーロ・米ドルは、CPIを控え米ドル・円で小幅な米ドル売りが出た影響から、ユーロ買いが優勢となった。小幅に値を上げ、1.0118ドルからこの日の高値1.0154ドルまで値を上げ、17時時点では1.0147ドルで取引されている。
 
ユーロ・円は、米ドル・円とユーロ・米ドルの影響にそれぞれ引きずられ、小幅ながら荒い値動きとなった。144.76円まで値を上げたが、一転して144.15円まで値を下げている。欧州勢参加後はユーロ買いが優勢となり、小幅に値を上げ17時時点では144.34円となった。
 
債券
 国債先物・22年12月限  149.09 (+0.38)
 10年長期金利  0.240%(-0.005)

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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