2022/09/22 7:40 JST投稿
【米国】
為替(9月22日6時00分)
米ドル円(USDJPY) 144.06-144.08 (円)
ユーロ円(EURJPY) 141.76-141.79 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 0.9836-0.9838 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 162.39-162.41 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.1265-1.1272 (米ドル)
9月21日のニューヨーク外国為替市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に注目が集まった。3会合連続の0.75%の利上げを決定し、政策金利を2.25-2.50%から3.00-3.25%に定めた。同時に公表された政策金利見通し(ドットチャート)は2022年末の中央値を前回の3.4%から4.4%へ、2023年末の中央値も前回の3.8%から4.6%とそれぞれ大幅な上方修正が示された。さらに、次回11月のFOMCで0.75%、12月のFOMCで0.50%の利上げが示唆され、来年の利下げは否定している。この結果、長中期の金利が急激に上昇した。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は会見で「金利上昇と成長減速、労働市場の軟化は全て、われわれが仕える国民に痛みをもたらすが、物価の安定を取り戻せず、将来的に再びやり直さざるを得なくなるほどの痛みではない」と述べた。さらに、「今後の利上げペースは経済データ次第」「いつか利上げペースを落とすのが適切になるだろう」と慎重な姿勢も示している。
金融政策の影響を受けやすい2年債と10年債(長期金利)の利回りは、56日連続で逆転(逆イールド)した。終値ベースで2年債が4.059%、10年債が3.534%となっている。長期金利は一時3.64%と2011年4月以来、11年ぶりの高水準となった。2年債も上昇し、一時4.123%と2007年11月、15年ぶりの高水準となり、さらに逆イールドが進んだ。
また、ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻に対して職業軍人だけでなく、有事に招集される予備役を部分的に動員する大統領令に署名し地政学リスクが高まっている。招集対象は30万人。プーチン大統領は、ロシアを守るため「必要とされる利用可能なあらゆる措置を講じる」と述べた。さらにロシア軍がウクライナで占領した領土を併合する方針を示すとともに、「核兵器でわれわれを脅迫しようとしている者は、風向きが自分たちの方向に転じる可能性があることも認識すべきだ」とも語っている。
米ドル・円(USDJPY)は、堅調に上昇しFOMC後のパウエル議長の会見でのタカ派的な姿勢が好感され長期金利が大幅に上昇すると、この日の高値144.70円まで値を上げた。しかし、パウエル議長の慎重な発言や長期金利の低下から米ドルが売られると143.41円まで下落したが、持ち直し終値は144.06円となった。
ユーロ・米ドルは、地政学リスクの高まりから徐々に値を下げた。さらに、FOMC後に長期金利が上昇すると米ドル買いが強まり2002年10月以来、11年ぶりの安値0.9814ドルを付けた。しかし、パウエル議長が慎重な発言をすると、急激に米ドルが売られ0.9910ドルまで値を戻すも、再び値を落とし終値は0.9837ドルだった。
ユーロ・円(EURJPY)は、地政学リスクの高まりからリスクオフの円買いが強まった。この日の安値141.64円を付け、その後は小幅に値を戻し141.79円で終えている。
株式
NYダウ平均 USD 30,183.78 -522.45(-1.70%)
NASDAQ総合 USD 11,220.192 -204.859 (-1.79%)
S&P500 USD 3,789.93 -66.00(-1.71%)
9月21日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、連日で前日の終値を下回った。FOMCの結果発表まで様子見の姿勢が強まり、横ばいでの推移となった。その後、3会合連続で0.75%の利上げが決まり、更なる金融引き締めにより景気悪化が懸念され景気敏感株が中心に売りが出た。しかし、パウエル議長の会見中に、予想通りの内容から安心感が広まり一時的に値を戻し、前日の終値を315ドルほど超える場面もあったが、再び値を下げ前日の終値を下回り終えた。
債券
米国債10年 3.534%(-0.039)
商品
NY原油(WTI) 1バレル=USD 82.94 -1.00(-1.19%)(11月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,675.7 +4.60(+0.28%)(12月渡し)
【日本】FOMC控え米ドルは堅調ながらユーロはリスクオフ
為替(17時)
9月21日の東京外国為替市場は、FOMCでの大幅な利上げへの期待から米ドルは堅調な取引が続いた。一方で、ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻に対して職業軍人だけでなく、有事に招集される予備役を部分的に動員する大統領令に署名し、核兵器の使用を示唆し地政学リスクが高まりユーロが売られた。
米ドル・円は、FOMCを控え堅調に値を上げたが、欧州勢参加後に地政学リスクが意識されるとリスク回避のリスクオフの円買いに転じ、この日の安値143.35円まで値を下げた。その後は、持ち直し17時時点では143.74円となっている。
ユーロ・米ドルは、FOMCを前に様子見の姿勢が強まり横ばいで推移していたが、地政学リスクが高まると急激に値を下げた。この日の安値0.9885ドルまで売られ、17時時点では0.9910ドルだった。
ユーロ・円は、日中は小幅ながら堅調に値を上げていたが、プーチン大統領の発言からリスクオフの姿勢が強まりこの日の安値141.93円を付けた。その後は反動から小幅に値を上げ17時時点では142.49円で取引されている。
債券
国債先物・22年12月限 148.26 (-0.19)
10年長期金利 0.250%(変化なし)