USDJPY 32年ぶりの高値を連日で更新

2022/10/19 727 JST投稿

【米国】

為替(1019600分)
 米ドル円(USDJPY)    149.22-149.23 (円)
 ユーロ円(EURJPY)    147.15-147.17 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 0.9855-0.9861 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY)    168.97-168.99 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.1321-1.1323 (米ドル)

1018日のニューヨーク外国為替市場に影響を与えたのは、経済指標の強弱入り混じる結果だった。まず、9月鉱工業生産(前月比、結果:0.4%、予想:0.1%、前回:-0.2%)と9月設備稼働率(結果:80.3%、予想:80.0%、前回:80.0%)が予想を上回った。一方で、10NAHB住宅市場指数(結果:38、予想:43、前回:46)は10ヵ月連続で低下し、20205月以来、パンデミック初期の水準に落ち込んでいる。

金融政策の影響を受けやすい2年債と10年債(長期金利)の利回りは、73日連続で逆転(逆イールド)しており、終値ベースでは2年債が4.431%10年債が4.007%だった。

米ドル・円(USDJPY)では、強弱入り混じる米経済指標の動きに左右されるも日米金利差が意識され、さらに19908月以来、32年ぶりの高値149.38円を更新した。その後は、大きな動きはなく、終値は149.26円となった。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、朝方は米経済指標の結果や欧州株価の上昇から、この日の高値0.9876ドルを付けた。しかし、長期金利の上昇から米ドル買いが強まると0.9821ドルまで値を落とした。その後、再び長期金利の低下や天然ガス価格の低下から投資家心理が上向くと、徐々に買戻しが入り0.9858ドルで終えている。

ユーロ・円(EURJPY)は、朝方に投資家心理が上向くと値を上げたが、ユーロ・米ドルの下落につられ徐々に値を落とした。しかし、再び投資家心理が上向きユーロ買いが強まると201412月以来、約8年ぶりの高値を更新し147.20円を付け、終値は147.13円だった。

株式
 NYダウ平均  USD 30,523.80 +337.98+1.11%
 NASDAQ総合 USD 10,772.402 +96.601 +0.90%
 S&P500   USD 3,719.98  +42.03+1.14%) 

1018日の米株式市場のダウ工業株30種平均は連日で前日の終値を上回った。主要企業の決算発表が本格化している中、予想を上回る好決算の起業が相次ぎ投資家心理が上向き終日で3万ドルを超え、前日の終値を上回る取引が続いた。一時、値を下げた場面もあったが持ち直し、3指数とも値を上げて終えている。

債券
米国債10年 4.007%-0.008

商品
 NY原油(WTI) 1バレル=USD 82.82 -2.64-3.09%)(11月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,655.80 -8.20-0.49%)(12月渡し)
 

【日本】USDJPY 堅調に148円後半で推移

為替(17時)
1018日の東京外国為替市場では、米ドルが対円で17日のニューヨーク市場で付けた32年ぶりの安値(149.08円)を更新した流れを受け、利益確定売りが優勢ながら堅調に推移した。英中銀の量的引き締めの延期を受けた懸念による米長期金利の低下から、米ドル売りにつながったことも大きかった。

また、引き続き高官の口先介入が活況となっている。岸田首相は「過度な変動に対しては適切な対応を断固としてとっていく」、鈴木財務相「過度な為替変動には適切な対応を取る」、黒田日銀総裁「金融・為替市場動向と経済・物価への影響を十分に注視」と述べている。

米ドル・円は、米ドル売りが優勢ながら堅調に148円後半で推移した。欧州勢参加後に米ドル買いが強まり、前日の高値に迫る149.05円まで上昇し、17時時点では148.96円となった。

ユーロ・米ドルは、リスク回避の米ドル買いが強まった場面もあったが、時間外の米長期金利低下を受け徐々にユーロ買いにシフトした。欧州勢参加後にこの日の高値0.9874ドルを付けていたが、再び米ドル買いが強まり17時時点では0.9858ドルで取引されている。

ユーロ・円は、ユーロ・米ドルの動きにつられリスク回避の円買いからユーロ買いに転じた。146.23円から146.99円まで上昇し、17時時点では146.85円だった。

債券
 国債先物・2212月限  148.27 +0.07
 10年長期金利  0.250%(変化なし)
 

【マーケットアナリティクス】米ドル安と強気な豪中銀議事録でAUDUSDが急騰(1018日)

火曜日、豪ドルは過度の悲観的なムードから売られすぎの状況だ。価格が急騰し損失を抑制するための買戻し(ショートカバー)が行われ、さらに価格が上がるショートスクイーズラリーを促す可能性があり、他のリスク資産と共に半値ほど上昇し取引されている。

RBA議事録はタカ派的な内容
この日発表された104日の政策決定会合議事録によると、オーストラリア準備銀行(RBA・豪中銀)理事会は、4ヶ月連続となる0.5%の引き上げについて多くの正当性を検討したが、最終的に0.25%引き上げ、2.6%とした。

RBA理事会は5月以降、2.5%の金利が上昇しており、その大部分がまだ住宅ローンの支払いに反映されていないことを強調した。引き締めは個人資産と住宅価値に影響を与えるだけでなく、最終的に消費を減速させるかもしれない。

しかし、理事会はオーストラリアのインフレ率6.1%は高すぎ、年末には7.75%に達すると予想し、家賃と光熱費が物価上昇の圧力になっていることを強調した。さらに、インフレ率を目標の23%の範囲に戻すため、インフレ期待をしっかりと維持することが必要であることを示した。

一方、投資家はFRBがインフレ抑制のためにより速い速度で金融引き締めを続けることを確信しているようだ。現在、市場では11月のFRB0.75%の大幅な利上げが100%起こるとみられている。 米債券金利と米ドル・円は、この恩恵を受け続けるだろう。

日足チャートでは、下降を示す見事な保ち合いのウェッジパターンが形成されており、強気の反転フォーメーションとなっているようだ。豪ドルが0.6340より上で引けた場合、このパターンが確認され、初動で0.66に向けた更なる上昇を暗示する可能性がある。

また、0.65付近が下値支持線(サポート)となり、強気(ブル)の勢いを維持するためには、その上方で推移する必要がある。

また、価格とRSI指標(相対力指数)の間には強気の乖離があり、現在の上昇バイアスを裏付けている。

豪ドル・米ドル、デイリーチャート 1018日(CET・中央ヨーロッパ時間)

引用元: “AUDUSD Surges Amid USD Weakness, Hawkish RBA Minutes20221018, AXIORY Global Market News)           

追記:1019日、日本時間6:00の豪ドル・米ドルは0.6307-0.6309米ドルで取引されている

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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