米労働市場軟化で金融引き締め長期化懸念が後退、米ドルは売られる

【米国】

為替(2023年6月9日  6時00分)
米ドル円        USD/JPY  138.92  (円)
ユーロ米ドル  EUR/USD  1.0783  (米ドル)
ユーロ円        EUR/JPY   149.80  (円)
ポンド円        GBP/JPY   174.42  (円)
ポンド米ドル  GBP/USD  1.2558  (米ドル)

6月8日のニューヨーク外国為替市場では、米ドルを売る動きが優勢となった。この日は発表された週間の新規失業保険申請件数(予想23.5万件、結果26.1万件)は市場予想を上回り、2021年10月以来の高水準となった。これを受けてFRB(米連邦準備理事会)による金融引き締めの長期化に対する懸念が後退。米長期金利の低下を通じて、米ドルが売られる要因となった。

債券市場では、金融政策の影響を受けやすい2年債の利回りが10年債(長期金利)の利回りを上回る現象(逆イールド)が継続しており、2年債が4.56%、10年債が3.79%となっている。

米ドル円は139.7円で取引を開始。この日は軟調な値動きに終始し、一時は138.81円まで下落する場面もあった。引けにかけても上値の重い展開が続き、138.92円で取引を終えた。

ユーロドルは1.0736ドルで始まると、徐々に水準を切り上げる展開となった。一時は1.0787ドルまで上昇。取引時間後半はやや勢いを失ったものの、前日より高い1.0783ドルで引けた。ポンドは、対米ドルで1.2558ドル近辺での取引となっている。

ユーロ円は149.97円で取引を開始。その後は売り買いが交錯する展開となり、高値150.04円と安値149.60円の範囲で推移した。引けにかけても目立った動きはなく、149.80円で取引を終えた。

株式
NYダウ平均     USD  33,833.61   +168.59 (+0.50%)
NASDAQ総合   USD  13,238.52   +133.62 (+1.02%)
S&P500           USD    4,293.93    +26.40 (+0.62%)

米株式市場のダウ工業株30種平均は小動きとなった。米国での低調な雇用関連のデータを受け、金融引き締めの長期化に対する懸念が後退。米長期金利が低下し、株式相場の支えとなった。個別では電気自動車大手テスラやソフトウェア大手アドビなどが上昇した一方、半導体大手マイクロン・テクノロジーやクレジットカード大手マスターカードなどの下落が目立った。

債券・商品先物
米国債10年                            3.7179%  (-0.077)
NY原油(WTI)     USD/バレル    71.04  (-1.97%)
NY金(COMEX)   USD/オンス  1,980.8  (+1.29%)
 

【日本】 国内株安や米長期金利の低下を受けて米ドル円は下落

為替(17時)
6月8日の東京外国為替市場では、米ドル売り・円買いが進行した。国内株式相場が下げ幅を拡大したことに伴って、リスク回避に伴う円買いが優勢となった。また、米長期金利が下落したことも、米ドル売りの要因となった。

米ドル円は140.12円で取引を開始。朝方から水準を切り下げる展開となり、一時は139.67円まで下落した。その後やや持ち直す場面も見られたものの、139.72円まで下落して取引を終えた。

ユーロドルは1.0699ドルで始まると、底堅く推移した。緩やかに値を切り上げると、一時は1.0719ドルまで上昇。取引終盤にかけても堅調に推移し、1.0713ドルで引けた。

ユーロ円は149.92円で取引を開始。上値の重い展開となった。徐々に下値を切り下げる展開となり、一時は149.59円まで下落。引けにかけてはやや持ち直したものの、149.69円で取引を終えた。

債券
10年長期金利 0.437% (+0.024)

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