【今週のハイライト】中東情勢を巡る懸念は依然として高いものの、中国の追加景気刺激策への期待もあり全般で株高が進んだ

為替(2024年10月11日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   148.55 (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.0937  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   162.27   (円)
ポンド円          GBP/JPY   193.97  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3058  (米ドル)

 
米ドル円
7日(月)は、前週末の米雇用統計で大幅に上昇したこともあり、本邦勢参入後にはドル売り・円買いが先行した。本邦輸出企業のドル売り・円買いも相場の重しとなり148.21円まで下押した。その後は米10年債利回りが底堅く推移していることもあり、下げ渋り148.42円前後でもみ合った。小高く始まった欧州株が下げに転じ、ナイト・セッションの日経平均先物が大幅に下落したことで17時までに148.14円まで下値を広げた。前週末の雇用統計の結果を受けてFRB大幅利下げ観測が後退したことで、アジア時間には149.13円の高値を付けたが、16日の高値149.35円が目先のレジスタンスとして意識されたこともあり、23時前には147.83円まで日通し安値を更新した。もっとも米10年債利回りは底堅くじり高に推移していることもあり、ドル買い圧力も強く下値は限定的だった。
 
8日(火)は、時間外の米10年債利回り4.00%台まで低下したことを受けて、ドル売り・円買いが先行した。また日経平均株価が低下していることも相場の重しとなり、11時台には147.50円まで下値を広げた。ただ下値の堅さを確認すると、香港株式相場の下げ渋りなどを手掛かりに148.15円まで買い戻された。ただ欧州勢参入後は香港株が反落したことや中東の地政学リスクもあり、リスク・オフムードが強まり、147.34円まで下押した。米10年債利回りが一時4.05%台と8月1日以来の高水準を記録すると円売り・ドル買いが優勢となった。米10年債利回りが低下に転じるとやや伸び悩んだものの、ナイト・セッションの日経平均株価先物が堅調に推移したことなどが相場の支援材料となり、148.38円と日通し高値を付けた。9日のFOMCや10日のCPIの結果を見極めたい雰囲気もあり、積極的な取引は控えられた。
 
9日(水)は、東京市場オープン直後に売りで始まり一時148.00円まで下押した。148円の節目がサポートとして意識されると下げ渋り、仲値にかけては買い戻しが優勢となった。ただ上海総合指数の大幅下落がリスク回避の円買いを誘い、再び148.07円まで下押した。その後は中国の財政出動を期待した円売りが進行し148.65円まで上値を伸ばした。米大幅利下げ観測が後退する中で、米10年債利回りが一時4.078%と7月31日以来の高水準を記録したことで、円売り・ドル買いが先行した。また、中国の財政政策に対する期待感の高まりや米国株高を背景にした円売り・ドル買いも活発になり、149.35円まで上値を伸ばした。
 
10日(木)は、時間外の米10年債利回りが小幅に低下したことを受けて、ドル売りが先行し149.10円まで下押した。その後は本邦実需によるドル買いも入り149.28円まで買い戻されるも上値は重たく149.15円前後で方向感なくもみ合いが続いた。後場に入ると上げ幅を縮小していた日経平均株価が底堅く推移しているのをながめて、149.54円まで上値を伸ばした。消費者物価指数や新規失業保険などの結果が伝わると、売買が交錯し上下に大きく振られた。消費者物価指数が予想を上回ると全般でドル買いが先行し一時149.53円まで値を上げたものの、アジア時間の高値149.55円が目先のレジスタンスとして意識されると失速し、前週分の新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だった事が意識され、148.23円と日通し安値を付けた。その後は方向感に乏しく揉み合いの展開が続いた。
 
ユーロドル
7日(月)は、対円でのドル売りが下値を支えているものの、時間外の米10年債利回りが底堅く推移し上値を抑えられている。動意が薄い状態が続いたものの、欧州株がマイナスに転じたこともあり、16時台には1.0957ドルまで下値を広げた。しかし売りは続かず1.0969ドルまで買い戻された。8月15日以来の約1か月はぶりの安値1.0950ドルを付けた後だけに、ポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが優勢となった。ただ、米10年債利回りの上昇やECB利下げ観測が相場の重しとなった。対オセアニア通貨に対するリスク・オフのドル買いが入ると、ユーロに対してもドル買いが入り、1.0966ドルまで下押した。
 
8日(火)は、米10年債利回りが低下していることを受けて、ドル売り・ユーロ買いが先行した。ただ円がらみの動きが主導となる中で、小幅なレンジ内での上下が続いた。欧州勢参入後はユーロクロスの上昇やドル円の下落に伴う買いも入り、前日高値の1.0987ドルを上抜けて17時過ぎには1.0996ドルまで上値を伸ばした。ユーロポンドなどのユーロクロスの上昇に連れた買いが入ると、欧州市場では1.0997ドルと日通し高値を付けたが、ニューヨーク市場に入ると一転して下落した。もっとも米10年債利回りがの上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢になり、24時台には一時1.0961ドルと日通し安値を付けた。ただ、前日安値の1.0954ドルが目先のサポートとして意識されると下げ渋った。
 
9日(水)は、ニュージーランドが政策金利を0.50%引き下げることを決定したことで、NZドル/ドルが下落した。これにつられる形で、ユーロドルもじり安となり14時前には1.0961ドルまで下押した。その後は、ユーロクロスの持ち直しを背景に1.0972ドルまで上値を伸ばしたが、米10年債利回りの上昇やユーロ円の反落につられる形で、一時1.0950ドルまで下押した。ユーロ圏景気への懸念からECBが17日の定例理事会で追加利下げを決定するとの見方が強まると、ユーロの重しとなった。米10年債利回りが高水準で推移していることもあり、一時1.0935ドルと8月13日以来の安値を更新した。なお、ローガン米ダラス連銀総裁は「インフレの上振れリスクは依然として現実的で、経済見通しを巡り、かなりの不確実性がある中で、今後は緩やかな利下げが適切となる」と発言した。
 
10日(木)は、動意が薄く小幅にもみ合いながらも、ややじり高に推移した。10時台には1.0945ドルまで上値を伸ばしたものの上値は重たく、時間外の米10年債利回りがやや低下した事を受けて、徐々に下値を切り下げ17時過ぎには1.0928ドルまで下押した。米経済指標の強弱が入り混じる結果だったことから売買が上下に大きく振られた。ボスティック米アトランタ連銀総裁が11月会合での金利据え置きを示唆した事が伝わると、米10年債利回りが4.11%台と7月31日以来の高値圏で推移した。それに伴い、ドル買いが優勢となり、1.0899ドルと約2か月ぶりの安値を更新した。ただ、米10年債利回りが低下に転じると、買戻しが優勢となり1.0938ドルまで下げ渋った。
 
 
ユーロ円
7日(月)は、早朝に163.56円まで上値を広げる場面もあったが、ドル円の上値が抑えられ売りが強まると徐々に下値を広げ、11時台には162.68円まで下押した。12時台には163.08円まで買い戻されたが、その勢いは続かず徐々に下値を切り下げ、日米欧株価指数が軟調に推移したっこともあり、リスク・オフの円買いが進み16時台には162.43円まで下値を広げた。ドル円の下落や米国株安に伴う円買い・ユーロ売りが入ると、23時前には一時162.30円と日通し安値を付けた。その後の戻りも162.74円付近にとどまった。
 
8日(火)は、総じてドル円の動きに連動するような形となった。上値は重たく、ユーロ売り・円買いが先行した。豪ドル円同様に、リスクセンチメントの悪化を嫌気した売りが出たこともあり、11時台には161.89円まで下押した。その後は香港株の下げ止まりを確認して162,75円まで買い戻されるも、香港株が反落した事や、欧州株の下落で円買い圧力が高まり、161.99円まで下押した。ユーロドルの下落に連れた売りでた半面、ドル円の上昇に連れた買いが入った。米国株や日経平均先物の上昇に伴う買いも入り、23時台には一時162.82と日通し高値を付けた。
 
9日(水)は、東京オープン直後は全般に円買いの動きが目立ち、ユーロ円も162.44円まで下押したが、ドル円の上昇に連れて162.86円まで買い戻された。ただ買いが一服すると、162.60円前後での揉み合いが続いた。14時台になるとクロス円の上昇の流れに沿うように、163.06円まで上値を広げた。ただ、上海株安が嫌気されると162.37円まで下押し午前中安値をわずかに割り込んだが、売り一巡後には162.88円まで買い戻されるなど、方向感の定まらない相場となった。
 
10日(木)は、オープン直後に162.99円まで下押すもドル円の上昇に連れた買いが優勢となり仲値にかけて163.33円まで買い戻された。その後は163.19円前後のでのもみ合いが続いた。13時台には163.59円まで上値を伸ばしたが上値は重たく、日銀副総裁のタカ派発言も手掛かり材料として、円買いが進み162.90円まで下値を広げた。米経済指標の強弱入り混じる結果を受けて上下に大きく振られたが、米株安を確認するとユーロ売り・円買いが優勢となり162.16円の日通し安値を付けた。
 
 
10月7日 9時00分 ~10月11日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY  147.34~149.54(円)
ユーロドル EUR/USD   1.0899~1.0996(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY  161.89~163.59(円)
ポンドドル GBP/USD   1.3010~1.3134(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  192.87~195.48(円)
 
株式
7日(月)は、米10年債利回りが8月以来4%台に乗せたことで、株式の相対的な割高感が意識されたことや、中東の地政学リスクも相場の重しとなり、NYダウ平均は一時520ドル超さげた。また、ハイテク株比率が高いナスダックは電気自動車のテスラが下落した一方で、半導体大手のエヌビディアは上昇した。
 
8日(火)は、中東情勢を巡る懸念は根強いものの、WTI原油先物相場が大幅に下落した事で投資家心理が改善し、主力株中心に買い戻しが入った。前日に下げが目立ったアップルやアマゾン・ドット・コムなどのハイテク株が買われ、相場を下支えした。
 
9日(水)は、NYダウ平均とS&P500で過去最高値を更新した。中東情勢を巡る懸念は根強いものの、WTI原油先物相場が続落すると投資家心理が改善し主力株を中心に買いが入った。また中国政府が12日に財政政策での追加政策への期待が高まりからも買いが入りやすかった。ハイテク株比率が高いナスダックでも続伸し、7月16日以来約2か月半ぶりの高値で取引を終えた。
 
10日(木)は、9月米消費者物価指数が予想を上回った一方で、前週分の米新規失業保険申請件数は予想よりも弱い内容となると、投資家心理が悪化し売りが出た。NYダウ平均は前日に史上最高値を更新した後だけに、高値警戒感や短期的な過熱感も意識され、利益確定目的の売りも出た。

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