【今週のハイライト】FOMCが7会合連続利で金利据え置きを決定したものの、CPIやPPIは予想を下振れした

為替(2024年6月14日 6時00分)
米ドル円     USD/JPY  156.77  (円)
ユーロ米ドル  EUR/USD  1.0831 (米ドル)
ユーロ円         EUR/JPY   169.81 (円)
ポンド円         GBP/JPY   199.52  (円)
ポンド米ドル  GBP/USD  1.2731  (米ドル)
 
米ドル円
10日(月)は、日経平均株価が300円超上昇したことを背景に堅調に推移し、13時前に157.19円まで上昇し日通し高値を付けた。ただ、この高値を頭に伸び悩み16時過ぎには156.93円まで押し戻される場面もあったが、時間外の米10年債利回りが4.46%台まで上げ幅を拡大した動きも支えに157円前後での下値は固い動きとなった。FOMCや日銀金融政策決定会合を前に様子見ムードが広がる中で、米10年債利回りの上昇に伴う円売り・ドル買いが出てじり高の展開となった。もっともニューヨーク時間の値幅は、30pips弱と小幅な値動きが続いた。
11日(火)は、先週末の米雇用統計を受けた堅調な地合いが維持され12時台には、157.33円まで上値を伸ばした。日経平均株価が大引けにかけて上げ幅を縮小すると、ドル円も一時157.15円まで下押したが、底値も堅く買い戻され、16時台には157.36円まで上昇しわずかに上値を更新した。米10年債利回りが低下したことで、一時売りが優勢となり156.80円まで安値を押し下げ日通し安値を付けたものの、前日の安値156.52円が目先のサポートとして意識されると買戻しが進んだ。米10年債利回りが低下幅を縮めたことも相場を下支えした。日米の金融政策発表を前に方向感の出にくい面もあった。
12日(水)は、小幅ではあるものの前日からの円安地合いが継続し上昇し157.35円まで上値を伸ばした。もっともニューヨーク時間に米消費者物価指数(CPI)やFOMCといった重要な発表を控えているということもあり、積極的に上値を試す展開にはならなかった。米労働省が発表した5月米消費者物価コア指数(予想:0.3%、結果:0.2%)が予想を下回ったことで、米利下げ期待が再燃した。米10年債利回りの低下とともに全般ドル売りが活発化し、155.71円まで下値を押し下げた。ただ売りが一巡後は買い戻しが優勢となった。またFOMCで金利の据え置きが発表されると156.89円まで下げ渋った。
13日(木)は、ニューヨーク午後から続く5月米消費者物価指数(CPI)による下落の買い戻しが継続し、引け前には157.30円まで上値を伸ばしCPI発表前の水準まで戻した。時間外の米10年債利回りが、4.32%台で推移し底値が堅いこともドルの買戻しを支えた。5月米卸売物価指数が予想を下回ると、円買い・ドル売りが先行した。21時30分過ぎには、156.58円まで安値を押し下げた。しかし、東京時間早朝の安値156.57円が意識されると157.26円まで買い戻された。その後はユーロ円中心にクロス円が下落すると、ドル円にも売りが出て157円を割り込んだ。もっとも引けにかけては、ふたたび157円台に持ち直した。
 
ユーロドル
10日(月)は、欧州議会選挙での極右勢力の躍進を嫌気した売りで下値を広げ1.0747ドルの安値を付けた。1.0747ドルを安値に下げ渋るも買戻しは、1.0766ドルにとどめ戻りは限られている。欧州政治リスクを背景としたユーロ売りは小休止となったが、ユーロ売りの圧力は強い状態が続いている。欧州議会選挙で欧州連合に懐疑的な勢力が躍進し、フランスでは下院議会の解散と総選挙が決まり、仏政局不安を背景にユーロが続落した。欧州時間には1.0732ドルと約1か月ぶりの安値を付けた。ただECB総裁の発言から「ECBは利下げを急いでいない」との見方が強まり、ユーロ買いが入り下げ渋った。
11日(火)は、動意が薄く小幅な値動きでもみ合いが続いた。15時台には1.0768ドルまで上値を広げたが、上値は抑えられ17時までのレンジ幅はわずか14pips程度にとどまった。シムカス・リトアニア中銀総裁やビルロワドガロー仏中銀総裁など複数のECB関係者の発言が伝わったが、反応は見られなかった。9日の欧州議会選で減税を掲げる極右の国民連合が台頭したことで、マクロン大統領は下院議会を解散し総選挙を実施するとした。同国の政治リスクと財政悪化を懸念し、この日もユーロ売りが続き、1.0719ドルまで安値を更新した。ただ、売り一巡後はやや買い戻しが優勢となった。
12日(水)は、底値が堅いものの値動きは少なく早朝からの値幅はわずか13pips程度となった。今夜の米国重要指標を前に積極的な取引は控えられている。カザークス・ラトビア中銀総裁は「年内の追加利下げの可能性は残されている」「ECBは段階的に利下げを行うべき」との発言をしたが、相場の反応はなかった。FRBが重要視する米消費者物価コア指数が予想を下振れすると、FRBの利下げ期待が再燃し、ドル売りが優勢となり1.0852ドルまで上値を伸ばし日通し高値を付けた。ただFOMCの結果やパウエルFRB議長の発言が伝わると、米10年債利回りが低下幅を縮小しドルを買い戻す動きが優勢となった。引けにかけては、1.0803ドルまでドルの買戻しが入った。
13日(木)は、前日の米CPI発表後の上昇に対するポジション調整の売りもあり1.0800ドルまで安値を押し下げた。ただ、節目となる1.0800ドルがサポートとして意識されると、1.08ドル台前半での揉み合いとなった。テクニカル的には、日足一目均衡表・雲の上限や200日移動平均線がサポート水準として機能するかどうかに焦点が当たっている。5月米卸売物価指数が予想を下回るとユーロ買い・ドル売りが先行した。ただ欧州を代表する株価指数のひとつユーロ・ストックス50指数が2%近く下落するとリスク・オフのユーロ売りが出やすい場面もあり、26時台には1.0732ドルまで安値を押し下げ、日通し安値を付けた。




 
ユーロ円
10日(月)は、ドル円の上昇とユーロドルの下落に挟まれる形で方向感がなく小幅な値動きでもみ合いが続いた。欧州政治リスクが高まったことで、ややユーロ売りが優勢となる場面もあったが、終始169円を挟んでの揉み合いとなった。欧州議会の情勢不安が強まるとユーロ売りが優勢となり、19時台には、168.29円の安値を付けた。ただ、ラガルドECB総裁の発言を受けてユーロが下げ渋る展開となった。
11日(火)は、ドル円の上昇に合わせて朝から堅調に推移したが、169.42円を頭に上値を抑えられた。ただ、何度か押し戻されるも169.25円付近は底堅く推移した。欧州勢参入後も為替相場全体が静かな動きとなり、169.30円台を中心に限られた値動きとなった。ただ、日本時間夕方以降には、欧州議会のリスクを背景にしたユーロ売りが優勢となり21時台には、168.29円まで安値を押し下げた。売り一巡後は米10年債入札が好調だった影響でユーロドルが下げ渋ったこともあり、ユーロ円も下げ渋った。
12日(水)は、午前中は方向感なくもみ合いが続いていたが、午後になると豪ドル円の上昇につられる形で上昇をはじめ強含んだ。その後も堅調に推移し21時台には169.39円まで上昇した。米CPIが予想を下回ると、ドル円が下落するのにつられて168.74円まで下押した。ただドル円の下落とユーロドルの上昇に挟まれる形で揉み合いが続いた。引けにかけては、FOMCの発表やパウエルFRB議長の発言を受けて強含み、169.58円まで上値を伸ばし日通し高値を付けた。
13日(木)は、堅調に推移し欧州勢が参入した後も円売りは継続し、引け前には170.13円まで上昇し日通し高値を付けた。ドル円の上昇や、ユーロドルの下げ渋りを見ながら、終始底堅い動きが続いた。その後は、ユーロ株価指数の低下を受けてユーロ売りが優勢となり、168.28円まで安値を押し下げ、日通し安値を付けた。
 
 
 
 
6月10日 9時00分 ~6月14日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY 155.71~157.40(円)
ユーロドル EUR/USD   1.0719~1.0852(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY 168.28~170.13(円)
ポンドドル GBP/USD   1.2705~1.2860(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  199.67~201.31(円)
 
株式
10日(月)は、FOMCを前に様子見姿勢が強く積極的な売買は控えられたものの、個別に材料が出た銘柄には買いが入り相場を下支えした。アナリストが投資判断を引き上げたウォルマートやハネウェル・インターナショナルが上げた一方で、年次開発者議会を開いたアップルは下げた。
11日(火)は、11日のFOMC結果公表を前に持ち高調整の売りが優勢となった。NYダウ平均は一時400ドル超下げる場面もあった。ただ、米長期金利の低下を受けてハイテク株中心に買いが入ると下げ幅を縮めた。ハイテク株比率の高いナスダックは史上最高値で取引を終えたほか、S&P500も最高値を更新した。
12日(水)は、5月米消費者物価指数が予想を下回ると米利下げ期待が再燃し、買いが先行した。NYダウ平均は、一時370ドル超上昇した。ただ、FOMC参加者の政策金利見通しが年内の利下げ予想回数が1回と、前回の3回から減少した。市場では2回の利下げを予想する向きが多かったこともあり、株売りが優勢となった。
13日(木)は、セールスフォースやアマゾン・ドット・コム、キャタピラーなどが売られ、相場を押し下げた。NYダウ平均は、一時300ドル超下落する場面もあった。ただ、売りが一巡後は、買い戻しが優勢となり、下げ幅を縮めた。前日のCPIに続きPPIが予想を下回ると、米利下げ期待が再燃し、買いを促した。ハイテク株比率が高いナスダックや多くの投資家が運用指標とするS&P500は過去最高値を更新した。

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