ECB定例理事会で0.25%の利下げを決定も、「タカ派的な利下げ」という見方が強くユーロ買いで反応

【米国】ADP雇用方法国に次ぐ雇用指標の下振れで、株式市場の投資家心理は改善

為替(2024年6月7日  6時00分)
米ドル円         USD/JPY   155.59  (円)
ユーロ米ドル  EUR/USD  1.0887  (米ドル)
ユーロ円         EUR/JPY   169.42  (円)
ポンド円         GBP/JPY   199.00  (円)
ポンド米ドル  GBP/USD  1.2789  (米ドル)

6月6日のニューヨーク外国為替市場は、ECBが政策金利を市場予想通りの4.25%に引き下げた。しかし市場はすでに織り込み済みで、市場では「今後の利下げには慎重なタカ派的な利下げ」との受け止めもあり、市場はユーロ買いで反応した。しかし、7日に米雇用統計の発表が控えていることもあり、その後は様子見ムードが広がった。

米ドル円は、欧州株相場の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ドル買いが先行した。22時台には一時156.44円の日通し高値を付けた。ただ、前日高値の156.48円が目先のレジスタンスとして意識されると次第に上値が重くなった。7日の米雇用統計を前に様子見ムードも広がる中で、米10年債利回りの上昇幅縮小も相場の重しとなった。

ユーロドルは、ECB定例理事会を前にポジション調整目的の売りが先行した。ただ前日の安値1.0854ドルが目先のサポートとして働くと下げ止まった。ECBは市場予想通り0.25%の引き下げを決定したものの市場は織り込み済みであったため、ユーロ買い・ドル売りで反応した。もっとも7日に米雇用統計の発表を控えていることもあり、ユーロ買いの勢いは長続きはしなかった。

株式
NYダウ平均       USD   38,884.76     +79.21(+0.20%)
NASDAQ総合    USD   17,172.45      -13.93(-0.08%)
S&P500             USD    5,352.9            -0.74(-0.01%)

株式市場では、NYダウ平均は上昇。前日のADP雇用報告に続き、前週分の米新規失業保険申請件数が予想を下回ったことで、FRBの利下げ開始時期後退の懸念が緩和し買いが優勢となった。一方でハイテク株比率の高いナスダックでは、前日に史上最高値を更新した後だけに利益確定目的の売りが出やすかった。前日に最高値を付けたエヌビディアは利益確定目的の売りに押され1%超下げた。

債券・商品先物
米国債10年                              4.289%       (+0.012)
NY原油(WTI)     USD/バレル   75.77          (+1.77%)
NY金(COMEX)  USD/オンス   2,392.4       (+0.71%)

【日本】中村日銀審議委員のハト派発言を受けて、円売りが加速

為替(17時)
6月6日の東京外国為替市場は、中村日銀審議委員の「当面は現状の政策維持が妥当」「実質賃金プラス転換に加え、可処分所得の増加が必要」といったハト派発言を受けて、円売りが加速した。ユーロはECB政策金利の発表を前に積極的な取引は控えられている。

米ドル円は、朝方からの地合いの弱さが仲値後も継続され、10時台には155.36円まで下値を押し下げ日通し安値を付けた。しかしながら、中村日銀審議委員の発言を受けて本邦10年債利回りが低下すると、円売りが加速し156.31円まで上昇した。

ユーロドルは、アジア株高を眺めて上昇した豪ドル/米ドルと歩調を合わせて1.0895ドルまで上値を伸ばした。ただ本日のECB理事会での政策金利発表及びラガルドECB総裁の会見までは積極的な取引は控えられ、じりじりと値を下げて午前中の上昇分を1.0875ドルまで売り戻された。

ユーロ円は、ドル円の動きに連動し169.21円まで下値を押し下げたが、中村日銀審議委員の発言後は上げ足を速めた。本邦10年債利回り低下や欧州株式市場が反発して始まったことでユーロ円も堅調な動きとなり、前日高値をわずかに上抜け170.07円まで上値を伸ばした。

債券
10年長期金利  0.953% (-0.060)

【市場主要イベント】
7日 加 失業率
      米 雇用統計
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