【今週のハイライト】週後半に日経平均株価が大幅に下落したことでリスク・オフの円買いが優勢となった

為替(2024年9月6日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   143.41 (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1110  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   159.36   (円)
ポンド円          GBP/JPY   189.00  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3177  (米ドル)

 
米ドル円
2日(月)は、先週末の海外市場の流れを引き継ぎ、週明け早朝の取引では買いが先行し146.59円まで上値を伸ばした。日経平均株価は400円近く高く寄り付いたものの上昇幅を縮小していることもあり徐々に値を下げ、13時台には145.77円の安値を付けた。ただ先週から引き続き下値は堅く、全般で円売りが優勢となっていることもあり、引けまでには146.47円まで買い戻された。ナイト・セッションの日経平均株価先物の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが優勢となった。147円の節目を超えるとストップロスを巻き込みながら147.17円まで上値を伸ばした。ただ、米国がレーバーデーで休場のため、積極的に上値を試すような動きにはならず146.80円まで押し戻され、その後は146円台後半でのもみ合いに終始した。
 
3日(火)は、日経平均株価の上げ幅拡大や時間外の米10年債利回りの上昇を受けて、円売り・ドル買いが先行し仲値にかけて147.21円の高値を付けた。ただ仲値を過ぎると日経平均株価が上げ幅を縮小しマイナス圏に沈んだことや米10年債利回りも低下したことで、上値が重たくなり145.88円まで下押した。連休明けの米株式市場の株安を受けてリスク・オフの円買いが強まると、一時145.11円と日通し安値を更新した。8月米ISM製造業景況指数が予想を下回ったことも相場の重しとなった。東京時間の経済財政諮問会議に出席した植田日銀総裁が政策金利引き上げへの方針を改めて示したことも、相場の重しとなった。
 
4日(水)は、前日ニューヨーク市場の流れを引き継ぎ売りが先行し144.88円まで下押した後、145円台半ばまで持ち直したが、上値は重たく積極的に買いが進む展開にはならなかった。日経平均株価が安く寄り付き、後場には前日終値対比で1,800円超安を記録したことも重しとなっており、ドル円も144.75円まで下押し日通し安値を付けた。7月米雇用統計動態(JOLTS)求人件数が予想を下回ったうえに、前月の数値が下方修正されたことが伝わると、米金融当局による大幅利下げ観測が高まった。米10年債利回りも低下し全般でドル売りが優勢となり、取引終了間際には143.70円と日通し安値を付けた。
 
5日(木)は、高田日銀審議委員が「十分な時間をかけつつ、その都度政策金利の引き上げが、経済・物価・金融情勢へどの程度影響を及ぼすか検証しながら対応する」と市場動向に配慮する形で発言をしたこともあり143.90円まで強含んだ。ただプラス圏に浮上していた日経平均株価が後場になると600円前後の下落を見せたことで、リスク・オフの円買いが入り、15時台には143.04円まで下押した。ただ売り一巡後は欧州株が底堅く始まりショートカバーが進み17時前には143.73円まで強含んだ。8月ADP全米雇用報告が予想を下回ったことが伝わると、全般でドル売りが先行した。節目の143円を下抜けると、一時142.84と日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後には買い戻しが優勢となり144.23円まで上値を伸ばした。米サービス部門PMI改定値や米ISM非製造業景況指数が予想を上回った事がドル買いを促した。ただ、1%超上昇したナスダックが失速したことやNYダウ平均も450ドル超下落したことが重しとなり、143.19円まで売り戻された。6日発表の雇用統計を前に神経質な動きが続いている。
 
ユーロドル
2日(月)は、東京オープン後に1.1055ドルまで上昇するも上値は重たく、1.1045ドルまで押し戻され再び1.1055ドルまで買い戻されるなど、小幅なレンジで方向感なくもみ合い、新規材料を待つ展開となった。その後はユーロ円の強含みにつられ上値を伸ばし1.1070の日通し高値を付けた。欧州時間に仏独ユーロ圏の製造業PMI改定値が予想を上回った事で、一時1.1077ドルまで上昇した。ただ、その後は上値が重たくなり1.1058ドルまで押し戻された。ニューヨーク市場が休場ということもあり、徐々に値動きが細り狭いレンジでのもみ合いに終始した。
 
3日(火)は、時間外の米10年債利回りが上昇していることが重しとなり、1.1058ドルまで下押した。その後は買い戻しが入り1.1070ドルまで上値を伸ばし日通し高値を付けたが、ユーロ円の下落に引きずられるようにユーロ売りが優勢となり、15時台には1.1051ドルまで下押した。米10年債利回りの低下に伴いユーロ買い・ドル売りが先行すると、23時過ぎには一時1.1069ドルまで値を上げたものの、アジア時間に付けた高値1.1070ドルが目先のレジスタンスとして意識されると上値が重たくなり失速した。米株相場の下落を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いも出ると、1.1026ドルの日通し安値を更新した。
 
4日(水)は、対円でのドル安選考に続き、ドル円の下げ渋り局面でもユーロ円の上昇が強かったことから、ユーロドルは、1.1059ドルまでじり高となった。16時台には一時1.1046ドルまで下押す場面もあったが、ドル円のドル売り基調に影響されて1.1062ドルまで上値を伸ばし日通し高値を付けた。低調な米雇用指標をきっかけに全般でドル売りが優勢となると、24時前には一時1.1095ドルまで上値を伸ばし日通し高値を付けた。その後はユーロ円の下落にも影響され徐々に上値を切り下げていき1.1065ドルまで下押した。ただ、1.1080ドル前後でのもみ合いとなった。
 
5日(木)は、円主導の相場となる中で小幅なレンジでのもみ合いが続いた。一時ポジション調整の売りに押され1.1074ドルまで下押す場面もあったが、1.1075ドルの本日のNYカットオプションが下値をさせた。17時前には1.1090ドルまでわずかに上値を伸ばしたが、勢いは限定的だった。低調なADP全米雇用統計の結果を受けて、一時1.1119ドルと日通し高値をつけたものの、買い一巡後には徐々に上値が重たくなった。米ISM非製造業指数などが予想を上回った事が相場の重しとなり、1.1076ドルまで売り戻された。ただ、その後は米10年債利回りが3.72%台と低調に推移したことで再びユーロ買い・ドル売りが優勢となり1.1113ドルまで買い戻しが入るなど荒い値動きとなった。
 
ユーロ円
2日(月)は、ドル円と同様に早朝に161.92円まで上値を伸ばすも東京オープン後の株価の動向を眺めながら、次第に上値が重たくなり13時台には161.02円まで下押した。しかし日経平均株価がプラス圏を回復したことなどを確認すると一転して円売りが優勢となった。また仏独ユーロ圏のPMI改定値が速報値から上方修正されたことにも後押しされ、17時までに162.10円まで上値を伸ばした。ドル円の上昇や日経平均株価先物の上昇に伴う円売り・ユーロ買いも出ると、一時162.89円の日通し高値を付けた。その後はニューヨーク市場が休場ということもあり流動性が低く、162円台半ばでのもみ合いに終始した。
 
3日(火)は、ドル円と同様に日経平均株価の堅調な推移を支えにして162.80円まで上値を伸ばした。ただ、ドル円が伸び悩むとユーロ円でも上値が重たくなり徐々に安値を切り下げていく展開となった。17時前には161.32円まで下押した。米国株や日経平均先物の下落を受けて、リスク回避の円買いが加速すると160.49円と日通し安値を更新した。
 
4日(水)は、ドル円と同様に円高が一服した。日経平均株価が1,500円超の大幅安で寄り付いたが、400円近く下落幅を縮小したことで、リスク回避の円買いを緩めユーロ円は160.89円まで上値を伸ばした。後場に入ると日経平均株価が一時1,800円超の下げ幅となったこともあり、リスク・オフの円買いが優勢となり、159.95円まで下押した。しかし160円の大台割れでは下げ渋り、160.30円台まで買い戻されるなど荒い値動きとなった。7月米JOLTS求人件数が予想を下回りドル円が下落したことを受けて、円買いが優勢となった。日本株式相場が急落していることで、リスク・オフの円買いも入りやすかった。
 
5日(木)は、ドル円に連動する形で159.45円まで円売り・ユーロ買いが進んだ。安く寄り付いた日経平均株価が一時プラス圏へ浮上したこともあり、円売りを後押しした。ただ後場に入ると日経平均株価が再びマイナス圏に転じたことも相場の重しとなり、15時台には158.55円まで下押した。もっとも、売り一巡後はショートカバーが入り17時前には159.26円まで買い戻された。米ADP雇用報告の結果を受けて、22時前には一時158.61円まで下押したが、アジア時間の158.56円が目先のサポートとして意識されると買い戻しが優勢となり159.79円まで上値を伸ばした。
 
 
9月2日 9時00分 ~9月6日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY  142.84~147.21(円)
ユーロドル EUR/USD   1.1026~1.1119(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY 158.55~162.89(円)
ポンドドル GBP/USD   1.3087~1.3185(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  188.10~193.48(円)
 
株式
2日(月)は、レイバーデーのため休場。
 
3日(火)は、NYダウ平均が前週末まで連日史上最高値を更新していた後だけに、半導体関連などハイテク関連株を中心に利益確定目的の売りが優勢となった。8月ISM製造業景況指数が予想よりも弱い内容となり、50を下回ったことで投資家心理を冷やした。ハイテク株比率が高いナスダックでは、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の下げが目立ち、大幅に下落した。
 
4日(水)は、NYダウ平均が前週末まで連日史上最高値を更新していた後だけに、半導体関連などハイテク関連株を中心に利益確定目的の売りが優勢となった。8月ISM製造業景況指数が予想よりも弱い内容となり、50を下回ったことで投資家心理を冷やした。ハイテク株比率が高いナスダックでは、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の下げが目立ち、大幅に下落した。
 
5日(木)は、8月ADP全米雇用報告が予想を下回ったことを受けて、6日発表予定の米雇用統計への警戒感が高まり、株売りが優勢となった。NYダウ平均は一時450ドル超下げる場面もあった。ハイテク株比率が高いナスダックは3営業日ぶりに反発上昇した。

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