【今週のハイライト】高市氏が自民党新総裁に選出されたことで、円売りが加速した

為替(2025年10月10日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   153.08(円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1564(米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   176.99(円)
ポンド円          GBP/JPY   203.66(円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3294(米ドル)

 
米ドル円
6日(月)は、4日に実施された自民党総裁選挙で積極的な財政出動を掲げていた高市氏が選出されると、早朝から大きく窓を開けて円安ドル買いが進行した。日経平均株価が急騰したことも相場を下支えし、14時台には150.44円まで上値を伸ばした。買い一巡後には150円を割り込む場面もあったが、底堅く推移しすぐに150円台を回復した。自民党の新総裁に積極財政派の高市氏が選ばれたことを材料に、欧州市場でも円売り・ドル買いが進んだ。本田元内閣官房参与が「1ドル150円を超えたら、やや行き過ぎだろう」と発言したことで、149.75円まで下押したが下値は限定的だった。
 
7日(火)は、日経平均株価が寄り付きから500円超高となったほか、本邦実需の買いが観測されたことで、150.62円まで上値を伸ばした。もっとも加藤財務相が「為替市場における過度な変動をしっかりと見極めていく」と発言したことで警戒感が高まり、150.39円まで売られた。ただ、ドル円は底堅く16時過ぎには再び150.71円まで上値を伸ばした。自民党で高市氏が新総裁に選出されたことで日銀の早期利上げ観測が後退し、この日も円売り・ドル買いの流れが継続した。引け前には一時152円を突破し2月19日以来の高値を更新した。円を調達通貨とするキャリートレードがでて、円売り圧力が強まっている。
 
8日(水)は、早朝には一時151.74円まで低下したものの、対NZドルでドル買いが強まったことで、ドル円でもドル買いが優勢となり11時過ぎには152.64円まで上値を伸ばした。もっともその後は連日の大幅な上昇もあり、さらに上値を試すような展開とはならず152.45円前後でのもみ合いとなった。自民党総裁に選出された高市氏が積極財政や金融緩和を支持していることから、この日も円売りが優勢となった。ただ、連日上昇していることもあり、利益確定目的の売りも出やすく積極的に上値を試す展開とはならなかった。もっとも下値も152.37円までと限定的だった。
 
9日(木)は、東京仲値にかけては152.76円まで上値を伸ばしたが、連日で上昇をしていた反動もあり伸び悩んだ。その後は152.60円まで下押したが底堅く推移し152.50円前後でのもみ合いが続いた。欧州勢が参入し始めると、依然として高市トレードが意識されていることで153.22円まで上値を伸ばした。米政府機関の一部閉鎖に伴い主要な経済指標の発表が先送りされる中で、相場材料は乏しく方向感は出にくかった。なお高市自民党総裁がテレビ番組で発言した際には一時152.11円まで下押したものの、米10年債利回りが上昇したこともあり全般でドル買いが優勢となった。
 
ユーロドル
6日(月)は、ドル円が大幅に上昇していることや米10年債利回りが上昇したことを受けてドル買いが優勢となり、一時1.1706ドルまで下押した。その後は1.1730ドルまで買い戻されたが、フランスでルコルニュ仏首相が週末に新内閣の経済・財務省にマクロン大統領側近のロランレスキュール氏を任命したことが野党の反発を招き、政局不安が再燃しユーロ売りが強まったことで1.1662ドルまで売られた。ルコルニュ仏首相の辞任が伝わったことで同国の政局不安が再燃したことで欧州市場ではユーロ売りが先行していたが、売り一巡後は一転して買戻しが優勢となり、24時過ぎには1.1721ドルまで買い戻された。その後は1.1710ドル前後でもみ合った。
 
7日(火)は、ドル円の上昇につれて1.1696ドルまで売りが進んだ。その後は1.1707ドルまで買い戻されたものの、ドル円が再び上昇したほか仏政局不安も引き続き相場の重しとなっていることから売りが続き、1.1670ドルまで下値を拡大した。フランスの政局不安を巡る不透明感に対する警戒から、この日もユーロ売りが優勢となり21時台には1.1653ドルまで下押したが、売り一巡後は1.1681ドルまで買い戻された。ただ、その後はドル円の急伸につれてユーロ・ドルでもドル買いが優勢となり、1.1647ドルまで下値を拡大した。
 
8日(水)は、対NZドルでのドル買いにつられる形で、ユーロドルでもドル買いが進行した。目立った戻りもなく15時30分過ぎには1.1607ドルまで下値を拡大した。もっとも売り一巡後には急な下落に対するショートカバーも入り、17時過ぎには1.1635ドルまで買い戻された。フランスでの政治や財政悪化に対する警戒感がやや後退する中で、22時30分前には1.1644ドルまで買われた。もっとも調整の域を出ることはなく、米10年債利回りが上昇に転じたことも相場の重しとなり、午前1時30分過ぎには1.1598ドルまで下押し、日通し安値を更新した。
 
9日(木)は、前日のニューヨーク時間に買戻しが強まった流れを引き継ぎ、14時過ぎには1.1648ドルまで上値を伸ばした。ただ、対円や対オセアニア通貨でドルが買われると徐々に上値が重たくなり、時間外の米10年債利回りが上昇したことも重しとなり1.1606ドルまで下押した。フランスの政局不安が和らぐ中でユーロ買いが入ったものの、市場では「根本的な問題の解決は困難」との懸念も根強く戻りは鈍かった。米10年債利回りの上昇に伴いドル買いが活発となると、午前3時台には1.1542ドルまで下値を拡大した。
 
ユーロ円
6日(月)は、週末に積極財政を掲げていた高市氏が自民党総裁選に勝利したことで、日経平均株価の上昇とともに円安が優勢となった。また欧州時間になると、フランスの政局不安が再燃した事を受けて売りが優勢となり、17時過ぎには174.89円まで売り戻された。
 
7日(火)は、ドル円の上昇につれて176.34円まで上昇したが、加藤財務相の円安けん制発言やユーロドルの下落もあり、上値が重たい展開が続いた。大きな方向感が出ることはなくわずかに下値を切り下げながら、17時前には175.78円まで下押した。
 
8日(水)は、ドル円の上昇につれる形で177.45円まで上値を伸ばしたものの、ユーロドルが下落すると、利益確定目的の売りにも押されながら15時台には176.89円まで下押した。ただ、その後は仏金利低下に伴うユーロの買戻しに沿って17時過ぎには177.44円まで買い戻された。
 
9日(木)は、ドル円同様に170円台半ばでのもみ合う展開が続きながらも徐々に下値を切り上げていった。欧州勢が参入し始めると高市トレードを意識した円売りが優勢となり、177.77円まで上値を伸ばした。もっとも、その後はユーロドルが下落したことを受けて、177.63円まで売り戻された。
 
10月6日 9時00分 ~10月10日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY  149.45~153.23(円)
ユーロドル EUR/USD   1.1542~1.1730(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY  174.89~177.93(円)
ポンドドル GBP/USD   1.3279~1.3490(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  200.77~205.32(円)
 
株式
6日(月)は、NYダウ平均は連日で史上最高値を更新していた後だけに、利益確定目的の売りが優勢となった。米10年債利回りが上昇したことも相場の重しとなった。ハイテク株比率が高いナスダックは反発し史上最高値で取引を終えた。
 
7日(火)は、人工知能関連銘柄として物色されていたオラクル㈱が下落し、その他のハイテク株に売りが波及したこともあり、NYダウ平均は下落した。ハイテク株比率が高いナスダックでも、史上最高値を更新した後だけに利益確定目的の売りが優勢となった。
 
8日(水)は、FRBが追加利下げを決定するとの観測が引き続き相場を支えた半面で、米政府機関の一部閉鎖が長期化するとの懸念が売りを誘った。またハイテク株比率が高いナスダックでは反発上昇し、史上最高値で取引を終えた。
 
9日(木)は、NYダウ平均が過去最高値を更新した後だけに、短期的な過熱感を意識した売りが優勢となった。米政府機関の一部閉鎖が長期化するとの懸念も相場の重しとなった。なおハイテク株比率が高いナスダックでも史上最高値を更新した後だけに利益確定目的の売りが優勢となった。

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