【今週のハイライト】日米欧政策金利の発表を受けて、全般で円売り・ドル買いが優勢となった

為替(2025年10月31日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   152.59(円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1618(米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   177.22円)
ポンド円          GBP/JPY   203.34(円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3324(米ドル)

 
米ドル円
27日(月)は、週末に米中貿易対立への懸念が後退した事を背景に全般で円売りが先行し153.17円まで上昇した。もっとも10日高値が目先のレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。ただ、日経平均株価が史上最高値を更新したこともあり14時台には153.25円まで上値を伸ばした。28日以降に日米首脳会談やFOMC結果公表・日銀金融政策決定会合などの重要イベントが控えていることで、ポジション調整目的の円買い・ドル売りが先行し152.56円まで下押した。ただ、前週末安値の152.30円が目先のサポートとして意識されると買い戻され153.19円まで上昇した。
 
28日(火)は、前日の日米財務相会談について米財務省が「インフレ期待を安定させ、為替レートの過度な変動を防ぐうえで、健全な金融政策の策定と対話が果たす役割を強調した」と発表した事で、151.76円まで下押した。もっとも片山財務相は「為替についての直接的な協議はなかった」としたことで152.35円まで買い戻されたが、上値は限定的となった。ベッセント財務長官が日米財務相会談で日銀の金融政策に言及したことを明らかにしたことで日本時間には151.76円まで下押したが、片山財務相が「直接的に金融調整をどうすべきかの話はなかった」と否定したことで、下げ渋った。その後は米FOMCや日銀金融政策決定会合を前に大きな方向感は出ず、神経質にもみ合う展開となった。
 
29日(水)は、ベッセント米財務長官が「日本が日銀の政策余地を認める意思がカギとなる」などとSNSに投稿した事で、円買いが優勢となり151.53円まで円買いが進んだ。もっとも日経平均株価が大幅に上昇していることを背景に円売りが優勢となると、一転して152.54円まで上昇した。買い一巡後は上値が重たくなり152.00円まで売り戻された。152円を挟んでもみ合う展開が続いた。FOMC結果公表では政策金利を市場予想通りの3.75ー4.00%に引き下げることを決定した。パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で12月の利下げについて「既定路線というにはほど遠い」などと発言した。これにより追加の利下げ期待は後退し米10年債利回りが上昇したことでドル買いが優勢となり、153.06円まで上値を伸ばした。
 
30日(木)は、東京オープン直後には152.94円まで上値を伸ばしたものの、日経平均株価が軟調に推移したこともあり152.16円まで下押した。日銀は金融政策決定会合で政策金利を据え置いたほか、声明でも利上げを示唆するような物はなかったため円売りが強まった。その後の植田日銀総裁の会見でも「利上げについて予断を持っていない」「もう少しデータ等を確認したい」とした事で、153.55円まで円売りが進んだ。植田日銀総裁の記者会見での発言を受けて「日銀は利上げに慎重な姿勢」と受け止められたことで円売りが進み、22時台には154.44円まで上値を伸ばした。FOMCで米利下げ観測がやや後退した事も相場の下支えとなった。ただ、その後は米10年債利回りの低下もあり伸び悩んだ。
 
ユーロドル
27日(月)は、ドル円でドル売りが優勢となると10時過ぎには1.1647ドルまで上値を伸ばした。買い一巡後には米10年債利回りが上昇したことも重しとなり売りが優勢となった。買戻しも限定的で17時過ぎには1.1617ドルまで下押した。米ドル円で調整のドル売りが出たことでユーロドルでもドル売りが優勢となり、1.1651ドルまで上昇した。その後は調整の売りが出たが限定的で、米10年債利回りの低下を手掛かりに再び上昇すると1.1652ドルまで上値を伸ばし日通し高値を更新した。
 
28日(火)は、ドル円の下落を受けてドル売りが優勢となると、14時過ぎには1.1668ドルまで上値を伸ばした。もっともその後は伸び悩み米10年債利回りが下げ渋っていることを受けて、ややドル買いが優勢となり1.1650ドルまで売り戻された。米10年債利回りの上昇をきっかけにドル買いが優勢となり、1.1625ドルまで下押した。ただ、前日安値の1.1618ドルが目先のサポートとして意識されると買戻しが優勢となった。米利下げ観測が高まる中で、ユーロ圏の政策金利が当面据え置かれるとの見方が優勢となると、買戻しが優勢となり1.1659ドルまで上昇した。
 
29日(水)は、ドル円でドル売りが先行した流れに沿って、1.1661ドルまで上値を伸ばした。もっとも日経平均株価の上昇を背景としたドル円の上昇を確認するとドルの買戻しが優勢となり、1.1624ドルまで下押した。その後は1.1638ドルまで買い戻されるも、上値は限定的だった。FOMC結果公表を控えて調整のユーロ買いドル売りが先行し、1.1665ドルまで上値を伸ばしたが、前日高値の1.1669ドルが目先のレジスタンスとして意識されると失速した。またパウエルFRB議長の発言を受けて、米追加利下げ期待が後退し全般でドル買いが優勢となると、1.1577ドルまで下値を拡大した。
 
30日(木)は、ドル円で売りが先行した流れにつれてドル売りが先行すると13時過ぎには1.1637ドルまで上値を伸ばした。ただ、日銀の金融政策決定会合や植田日銀総裁の発言を受けて円売りドル買いが進むと、17時過ぎには1.1606ドルまで売り戻された。FOMCで積極的な利下げに消極的な意見が聞かれたことや、ドル円が上昇していることを受けてドル買いが優勢となり、1.1547ドルまで下値を拡大した。その後は下げ渋り1.1586ドルまで買い戻されたが、上値は限定的で、引けにかけては1.1560ドル台でもみ合う展開が続いた。
 
ユーロ円
27日(月)は、米中貿易対立懸念が後退した事で上昇したドル円につれて、178.14円まで上値を伸ばし、ユーロ導入以来の高値となった。その後調整の売りが入るも、日経平均株価が史上最高値を更新した事を受けて再度円売り・ユーロ買いが強まったが、178.05円までにとどまった。
 
28日(火)は、ドル円の下落につれて円買いが優勢となると14時台には177.04円まで下値を拡げた。その後は下げ渋ると177.53円まで買い戻されたものの、上値は限定的ですぐに売り戻された。
 
29日(水)は、ベッセント米財務長官が日銀の金融政策に言及したことで円が全面高となると、176.62円まで下押した。ただドル円が反発上昇すると、日経平均株価が堅調に推移していることも背景に177.40円まで上昇した。その後はドル円の伸び悩みや、ユーロドルの下落を背景に176.84円まで売り戻された。
 
30日(木)は、日経平均株価の軟調な推移やドル円の下落につれる形で、12時過ぎには176.81円まで下押した。もっともその後は日銀が政策金利を据え置いたことや、植田日銀総裁が利上げに慎重な姿勢を示したこともあり、円売りが優勢となり178.40円まで上昇し、ユーロ導入以来の高値を更新した。
 
10月27日 9時00分 ~10月31日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY  151.53~154.44(円)
ユーロドル EUR/USD   1.1547~1.1668(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY  176.62~178.81(円)
ポンドドル GBP/USD   1.3151~1.3369(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  200.56~204.24(円)
 
株式
27日(月)は、ベッセント財務長官が11月1日に発動を予定していた100%の対中関税をめぐり、「米中首脳会談で回避される見通しだ」「代わりにちゅうごくがレアアース輸出規制の実施を1年間延期する見通し」との見方が広がったことで、米中貿易対立懸念が後退し株買いが優勢となった。
 
28日(火)は、貿易問題を巡る米中対立の緩和期待や米利下げ観測を背景に投資家のリスク先行姿勢が強まると株買いが優勢となった。好決算を発表したシャーウィン・ウィリアムズが大幅に上昇し、NYダウ平均を1銘柄で120ドル近く押し上げた。
 
29日(水)は、好決算を発表したキャタピラーが11%超上昇し1銘柄でNYダウ平均を418ドル近く押し上げたが、NYダウ平均は終盤には失速した。パウエルFRB議長が「12月の利下げは決して確実ではない」との見解を示したことで、米利下げ期待が後退し株価も上値を抑えられた。
 
30日(木)は、決算内容が嫌気されたマイクロソフトやメタ・プラットフォームズなどハイテク株中心に売りが広がり、相場の重しとなった。ただ、その後は米中関係の改善への期待から買いが入ると、NYダウ平均は上昇に転じた。ハイテク株比率が高いナスダックでは、史上最高値を更新していた後だけに、利益確定目的の売りが優勢となった。

この記事をシェアする
もっと読む
クッキー(Cookie)について: お客様が本ウェブサイトにアクセスする際、セキュリティの確保やお客様に関する情報を取得することを目的に、クッキー(Cookie)を使用する場合があります。 本ウェブサイトにお客様が継続的に訪問する場合、クッキーについて同意することと見なします。またクッキーはいつでも削除することが可能です。
FAQ お問合せ サポートデスク
月曜日-金曜日
9:00-24:00