米中通商協議を控えた週末前のポジション調整目的の取引が中心となった

【米国】週末の米中通商交渉への期待感から、ドル売りが先行したが引けにかけては買戻しが優勢

為替（2025年5月10日  6時00分）
米ドル円          USD/JPY   145.34(円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1245(米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   163.46(円)
ポンド円          GBP/JPY   193.38(円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3304(米ドル)

 
5月9日のニューヨーク外国為替市場は、週末の米中通商協議への期待感が高まっている中で、米10年債利回りが低下したことを受けて、全般でドル売りが先行した。ただ、低下していた米10年債利回りが上昇に転じたことなどを受けて、NY午後以降はドルの買戻しが優勢となった。
 
米ドル円は、トランプ大統領が「中国に対して80％の関税が適切だ」と発言したことや、米10年債利回りが4.34％台まで低下した事も相場の重しとなり、23時台には144.82円まで下押した。ただ、東京時間からの売りはポジション調整目的の売りにとどまり、その後は買い戻される展開となった。米利下げ観測が後退していることも、相場の下支えとなった。
 
ユーロドルは、米10年債利回りが4.34％台まで低下したことを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行し1.1292ドルまで上値を伸ばした。ただ、その後は一転して米10年債利回りが上昇に転じたことでドルの買戻しが優勢となり、引け間際には1.1244ドルまで下押す展開となった。
 
株式
NYダウ平均       USD   41,249.37                     　　-119.07(-0.28%)
NASDAQ総合    USD   17,928.92                   　　     +2.39(+0.01%)
S&P500             USD     5,659.90                        　　  -3.95(-0.06%)

株式市場は、NYダウ平均が米関税政策を巡る協議が進展するとの期待感から買いが先行したものの、10日から始まる米中貿易協議を前に持ち高調整目的の売りが出ると下げに転じた。その一方でハイテク株比率が高いナスダックでは、小幅ながらも3日続伸した。
 
債券・商品先物
米国債10年                     　　       4.380%     (+0.109)
NY原油（WTI）     USD/バレル   59.74        (+1.03%)
NY金（COMEX）  USD/オンス   3,310.4     (-1.84%)
 

【日本】週末の米中通商協議への期待感から投資家心理の改善を受けて、日経平均株価が上昇した

 
為替(17時）
5月9日の東京外国為替市場は、米中関税交渉への期待感から投資家心理が改善したことで日経平均株価が高く寄り付き始まった事を受けて、全般でリスク・オンの円売りが先行した。ただ、値動きは限定的で、その後は前日の急な円売りに対する調整の動きが優勢となった。
 
米ドル円は、日経平均株価の上昇などを背景に146.19円まで買いが先行したが、前日同様に146円台での上値の重さを確認すると、伸び悩んだ。前日の大幅な上昇に対する調整の動きもあり、徐々に上値・安値を切り下げる展開となり17時過ぎには145.07円まで下押した。
 
ユーロドルは、日経平均株価の上昇を手掛かりとしたドル円の上昇を確認すると、ドル買いが先行し1.1196ドルまで下値を広げた。ただドル円の伸び悩みや1.12ドル割れでの買い圧力が増すと下げ渋り、買戻しが優勢となった。その後もポンドドルの上昇に支えられるなどして、1.1258ドルまで上値を伸ばした。
 
ユーロ円は、ドル円の上昇とユーロドルの下落に挟まれる形でやや方向感なく始まったが、ドル円が伸び悩み売りが優勢となると、ユーロ円もつられて売りが優勢となった。一時163.22円まで下押したが、欧州株が堅調に推移していることや、ユーロドルが上昇していることを背景に下げ渋り163.52円まで買い戻された。
 
債券
日本国債10年　　　1.363%     (+0.039)