【今週のハイライト】イスラエルとイランをめぐる中東情勢激化の懸念が高まり、リスク回避の動きが高まった

為替(2025年6月20日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   145.46(円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1497(米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   167.14(円)
ポンド円          GBP/JPY   195.75(円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3465(米ドル)

 
米ドル円
16日(月)は、イスラエルとイランを巡る地政学リスクが高まる中で、先週末の海外市場で進んだ有事のドル買いが先行し、朝方には144.75円まで値を上げた。もっとも、その後は買いも一服した。明日には日銀金融政策決定会合の結果公表を控え、持ち高調整目的の売りも見受けられ143.97円まで下押した。欧州勢参入後にはやや買戻しが優勢となったが、限定的となった。「イランはイスラエルとの戦闘緩和にオープンだ」との報道が伝わると、米株相場が一段と上昇し、全般でドル売りが加速した。一時143.65円まで日通し安値を更新した。ただ、ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローが入ると、一転して買戻しが優勢となった。
 
17日(火)は、「トランプ大統領が米国家安全保障会議にシチュエーションルームの準備をするように命じた」との報道が伝わると、中東情勢をめぐる地政学リスクが意識され、一時145.11円までドル買いが進んだ。日銀金融政策決定会合の結果公表で政策金利を0.50%で据え置いたほか、来年4月から国債の買い入れの減額ペースを2,000億円程度に圧縮することが明らかとなったが、いずれも市場予想通りの内容となった。イスラエルとイランによる中東情勢激化への懸念が高まる中で、投資家のリスク回避姿勢が強まり「有事のドル買い」が優勢となった。またロンドンフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると145.29円まで上値を伸ばした。その後はやや伸び悩んだが一時的で、引け前には145.38円まで上値を伸ばした。
 
18日(水)は、東京オープン後に145.44円まで上値を伸ばしたものの、徐々に上値を切り下げる展開となった。ニューヨーク時間にはFOMC結果公表やパウエルFRB議長の会見が控えていることもあり、持ち高調整目的の売りが進み144.85円まで下押した。欧州勢参入後にはドル売りの動きはいったん落ち着いたが、戻りは限定的だった。トランプ大統領の発言をきっかけに中東情勢をめぐる警戒感が後退し、全般でドル売りが先行した。FOMC結果公表では、政策金利を市場予想通り4.25ー4.50%で据え置くことを決定した。FOMC結果公表直後にはドル売りで反応し144.34円まで下値を広げたものの、パウエルFRB議長が「労働市場は引き続き堅調」「労働市場は利下げを強く求めていない」と述べ、改めて早期利下げに慎重な姿勢を示すと、145.22円まで買い戻された。
 
19日(木)は、早朝からの売りに押される形で、10時過ぎには144.73円まで下押したが「米当局者らは数日以内にイランに攻撃する可能性に備えている」との一部報道が伝わり、為替市場では有事のドル買いが意識され、買戻しが優勢となった。ただ、本日は米国市場が休場ということもあり、積極的に方向感が出る展開とはならなかった。中東情勢の緊迫化を背景とした「株安・原油高・ドル高」の様相が強まり、一時145.77円まで上値を伸ばし日通し高値を付けた。ただ、節目の146円を前にして伸び悩んだ。レビット米報道官の発言を受けて、中東情勢を巡る過度な懸念が和らいだことも相場の重しとなり、145.34円まで押し戻された。
 
ユーロドル
16日(月)は、1.15ドル台前半でもみ合いが続いた。なお、デギンドスECB副総裁は「ユーロドルの為替水準1.1500ドルはインフレ目標2%に対して障壁ではない」などの見解を示した。欧州勢参入後には欧州株式相場が小高く始まったほか、米株価指数先物も上昇幅を拡大するなど、投資家リスク志向が改善し1.1586ドルまで上値を伸ばした。6月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が市場予想を下回ると、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。「イランは敵対行為を緩和するための協議をイスラエルと米国に求めている」との一部報道をきっかけに、前週末高値をうわ抜けて、1.1614ドルまで上値を伸ばした。ただ、ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いフローが観測されると1.1554ドルまでドル買いが進んだ。
 
17日(火)は、中東情勢をめぐる懸念からドル買いの反応が見られ1.1542ドルまで下値を広げた。ただ、その後はドル円の伸び悩みに伴い下げ渋り、15時台には1.1572ドルまで買い戻される展開となった。イスラエルとイランの攻撃が続く中で、米軍が中東地域に戦闘機を追加配備したことが伝わった。中東情勢でさらに緊張感が高まり「株安・原油高・ドル高」の様相が強まった。前日安値を下抜けると一時1.1474ドルまで下値を広げた。
 
18日(水)は、朝方に底堅さを見せるとFOMCの結果公表を前にした持ち高調整目的のドル売りの流れが優勢となり、じり高に推移した。16時過ぎには1.1523ドルまで上値を伸ばしたが、欧州勢参入後にはドル売りの流れは一服しやや伸び悩んだ。トランプ大統領の発言が伝わると、米中東情勢をめぐる警戒感が後退し、足元で進んでいた「株安・原油高・ドル高」を巻き戻す動きが優勢となり1.1530ドルと日通し高値を更新した。ただ、パウエルFRB議長がFOMC後の記者会見で「利下げを急がない」という姿勢を示すとドル買いが優勢となり1.1460ドルまで下値を広げた。
 
19日(木)は、中東の地政学リスクを意識したドル買いに押される展開となり、前日安値の1.1461ドルを下抜けて15時台には1.1445ドルまで下押した。その後は1.1476ドルまで買戻しが進んだが、本日は米国市場が休場で取引参加者の減少が見込まれていることもあり、積極的な方向感は出なかった。イスラエルとイランをめぐる中東情勢をめぐる緊張感が高まり「有事のドル買い」が優勢となり、1.1454ドルまで下押したものの、東京時間安値の1.1445ドルが目先のサポートとして意識されると、下げ渋った。レビット米報道官の発言から、中東情勢の戦闘激化には一定の猶予があるとの思惑が広がり、1.1499ドルまで買い戻された。
 
ユーロ円
16日(月)は、早朝に166.86円まで上昇したものの、ドル円の失速に伴い166.33円まで下押した。ただ、翌日に日銀金融政策決定会合の結果公表が控えていることもあり、様子見ムードが広がり、小幅なレンジでのもみ合いとなった。ただ、欧州勢参入後にはユーロドルの上昇などを受けて167.20円まで上昇した。
 
17日(火)は、朝方には167.58円の高値を付けた後は、ドル円の下げにつれて167.00円まで失速した。ただ、ユーロドルが上昇していることもあり、再び167.60円まで買い戻された。その後もドル円の動向につれて17時までには166.96円まで再び下押した。
 
18日(水)は、全般でドルがらみの取引が中心となる中で方向感なくもみ合う展開が続いた。ユーロドルが上昇していることで一時167.03ドルまで上昇したものの、ドル円の下落にも押される形で14時台には166.69円まで下押した。ただ、早朝安値が目先のサポートとして意識されると再び買戻しが優勢となった。
 
19日(木)は、ユーロドルの下落や日経平均株価安をきっかけに166.02ドルまで下押したが、ドル円の買い戻しなどの影響もあり、底堅く推移した。15時台にはユーロドルも下げ渋ったことで、ユーロ円でも買戻しが優勢となり166.74円まで上値を伸ばした。
 
6月16日 9時00分 ~6月20日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY  143.65~145.77(円)
ユーロドル EUR/USD   1.1445~1.1614(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY  166.02~167.60(円)
ポンドドル GBP/USD   1.3382~1.3621(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  193.99~196.83(円)
 
株式
16日(月)は、イランがイスラエルとの戦闘緩和について求めているとの報道が伝わると、原油先物価格は下落し、米株買いが優勢となった。NYダウ平均は一時500ドル超上昇した。ただ、「イランはイスラエルへの大規模攻撃を準備」との報道が伝わると伸び悩んだ。
 
17日(火)は、イスラエルとイランの交戦が続く中で、米軍が中東地域に戦闘機を配備した事が伝わると、中東情勢緊迫化が懸念され投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めると、株売りが優勢となった。
 
18日(水)は、トランプ大統領の発言を受けて中東情勢をめぐる過度な警戒感は後退し、買いが先行した。ただパウエルFRB議長がFOMC後の記者会見で、利下げを急がない姿勢を示すと、売りが強まった。
 
19日(木)は、休場

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