ウクライナ情勢の懸念からリスクオフの姿勢強まる

2022/02/22 7:34 JST投稿

 

【米国】

  • 為替(2月22日6時00分)

米ドル円(USDJPY) 114.80-114.81 (円)
ユーロ円(EURJPY) 129.90-129.91 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.1314-1.1314 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 156.16-156.18 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3602-1.3603 (米ドル)

2月21日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、ウクライナ情勢に翻弄された。欧州時間に仏大統領府が「米露首脳会談の開催提案を両首脳が原則として受け入れた」と発表するとリスク回避の姿勢が和らいだ。しかし、ロシア側が首脳会談の具体的な計画はないと発表。さらに、ウクライナ東部の親ロシア派「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の指導者はこの日、独立国家として承認するようプーチン露大統領に要請し、これを受けプーチン大統領が両共和国を承認する法令に署名した。これにより、2015年2月に調印した停戦合意が崩壊し、欧米の反発が起こっている。

なお、この日はプレジデントデーのため3連休で休場となるため、活発な取引は控えられている。

米ドル・円(USDJPY)は、114円台で取引された。ウクライナ情勢への懸念から徐々に値を下げ前週末の安値114.79円を超え114.72円まで売られ終値は114.74円となった。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、1.13ドル後半から前半に値を下げた。東京市場で堅調に値を上げ欧州時間にマクロン大統領の提案によって米露会談が実施される見込みが強まり、この日の高値1.1390ドルに上昇した。しかし、ロシア側が会談を否定し欧州やロシアの株式市場で値を下げた動きを受けリスク回避のリスクオフの動きからユーロ売りが強まり終値は1.1311ドルだった。

ユーロ・円(EURJPY)は、130円前半から129円後半に値を下げた。欧州時間に130.90円まで買われたが、地政学リスクが意識されこの日の安値129.74円を付け、129.79円で終えている。

*大統領の日の祝日のため株式、債券、商品は休場

 

【日本】ウクライナ情勢に翻弄された値動きに

  • 為替(17時)

2月21日の東京外国為替市場は、地政学リスクの影響が大きく、ウクライナ情勢のニュースに翻弄された。

米ドル・円は114円後半中心の取引となった。朝方は値を下げていたが、マクロン大統領が米ロによる首脳会談を提案し、米露双方が合意との報道を受け、この日の高値115.12円に値を上げた。しかし、株安やウクライナ情勢への懸念からリスク回避の姿勢が強まり、徐々に値を下げ17時時点では114.93円だった。

ユーロ・米ドルは1.13ドル後半中心の取引となった。米ロ会談開催の報道を受け、リスク回避が弱まるリスクオンの姿勢が強まり、ユーロ買いが優勢となり先週末の高値1.1377ドルを上回り1.1379ドルに値を上げた。17時時点では1.1373ドルとなった。

ユーロ・円は、130円後半中心で取引された。朝方は値をさげていたが、リスクオンの姿勢が弱まるとこの日の高値130.82円まで値を上げ、17時時点では130.72円だった。
 

  • 日本株式

日経平均株価 26,910.87円 -211.20(-0.78%)
安値26,549.00円  -  高値 26,998.47円
東証出来高 938,59万株
東証売買代金 2兆3068.05億円
 
2月21日の日経平均株価は3日連続で前日の終値を下回った。先週末に米国株が安くなった影響やウクライナ情勢の不安定な状況からリスク回避のリスクオフの姿勢が強まり、朝方に570円超値を下げた。その後、米露首脳会談開催の合意が図られたとの報道により前日からの下げ幅を120円超まで狭めたものの、積極的な取引は見送られ、ほぼ横ばいでの推移となった。東証1部の67%で値を下げている。
 

  • 短期金融市場

無担保コール翌日物金利 -0.019%
 

  • 債券

国債先物・22年3月限 150.14(+0.11)
10年長期金利 0.205%(-0.010) 

 

【マーケットアナリティクス】EURAUD、主要な上昇トレンドラインを試す(2月21日 15:04 CET)

ユーロ・オーストラリアドル(EURAUD)は、通常なら急激に上昇する市場のリスクオフムードにもかかわらず、本日はは安く取引された。0.3%弱く、1.5720と1カ月ぶりの安値で推移した。

ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官が「何らかの首脳会談を開催する具体的な計画について話すのは時期尚早だ」「首脳会談の『具体的な計画』はまだない」と発言し、ネガティブなニュースが続々と飛び込んできた。

その後、迫撃砲の砲弾がロストフ近郊のロシア国境検問所を破壊したというニュース(ウクライナ軍はこれを否定)が流れたが、沈んだムードは高まらなかった。しかし、これはウクライナ軍との最初の直接衝突となる未確認事件で、国境を侵そうとした「妨害者」5人をロシアが殺害したというニュース(これはウクライナから再びフェイクニュースとして紛糾された)だった。

現在、10月と12月の安値からの重要な上昇トレンドラインである1.6720付近を試しているところだ。弱気(ベア)がこのレベルを下回るようであれば、最近の中期的な上昇トレンドの終焉を意味し、1.550に向けて下落する可能性がある。

もしくは、1.5780付近の50日移動平均線(紫のライン)、そして1.5840付近の200日移動平均線(緑のライン)が上値抵抗線(レジスタンス)になると予想される。ユーロがこれらの平均線を下回る限り、売り圧力は続く可能性がある。

(※)移動平均線:一定期間(この場合は50日間と200日間)の終値の平均値の推移を折れ線グラフで示したもの。相場が上昇傾向にあるのか、下落傾向にあるのかといったトレンド(流れ)を把握しやすい。

  
ユーロ・オーストラリアドル、デイリーチャート 2月21日(CET・中央ヨーロッパ時間)

引用元: “EURAUD Testing Major Uptrend Line” (2022年2月21日, AXIORY Global Market News)

追記:2月22日、日本時間6:00のユーロ・オーストラリアドルは1.5728-1.5731オーストラリアドルで取引されている

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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