9月FOMCの利上げ観測強まり、米ドル買いに

【米国】

為替(8月19日6時00分)
 米ドル円(USDJPY) 135.86-135.88 (円)
 ユーロ円(EURJPY) 137.04-137.08 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0086-1.0087 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY) 162.03-162.18 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.1927-1.1933 (米ドル)

8月18日のニューヨーク外国為替市場では、朝方に発表された経済指標に注目が集まった。まず、8月 フィラデルフィア連銀景況指数(結果:6.2、予想:-5.0、前回:-12.3)は予想外のプラスとなった上、3ヵ月ぶりのプラスとなった。さらに同時刻に発表された先週の米新規失業保険申請件数(結果:25.0万件、予想:26.5万件、前回:26.2万件)でも予想外に3週間ぶりに減少し、労働需要が引き続き堅調であると示された。失業保険継続受給者数(結果:143.7万件、予想:145.0万件、前回:142.8万件)は、予想外に小幅に減少したが労働環境は依然として逼迫していることが示された。

サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は、CNNのインタビューに高インフレ抑制のためには年末までに3%をやや上回る水準に政策金利を引き上げるべきだとの見解を示した。また、今後の経済指標次第で、9月の米連邦公開市場委員会FOMCでの利上げ幅は0.50%か0.75%が妥当になるとの認識を示した。さらに、セントルイス連銀のブラード総裁は、「9月のFOMCで0.75%利上げの支持を検討している。インフレのピークを迎えたとまだ言い切れない。」と見解を示している。ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁も景気後退を引き起こす可能性があるとしても、連邦準備理事会(FRB)は非常に高いインフレを緊急に低下させる必要があるという見解を示している。

2年債と10年債(長期金利)の利回りは、33日連続で逆転(逆イールド)している。終値ベースで2年債が3.208%、10年債が2.886%となった。

米ドル・円(USDJPY)は、8月フィラデルフィア連銀製造業景気指数や先週の米新規失業保険申請件数が予想外に好調な結果となり、さらにFRB高官の利上げ容認発言が相次ぎ長期金利が2.913%に上昇した。米ドル買いが強まり7月28日以来の高値となる135.90円まで値を上げ終値は135.89円だった。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、ライン川の水位の低下による欧州の景気後退懸念から徐々に値を下げた。7月18日以来の安値1.0080ドルまでユーロが売られた。その後は小幅に持ち直し1.0087ドルで終えている。

ユーロ・円(EURJPY)は、朝方はユーロ・米ドルの下げにつられ、この日の安値136.56円まで値を下げた。その後は、米ドル・円の上昇につられ徐々に値を上げ137.21円となったが、再び小幅に値を下げ終値は137.10円となった。

株式
 NYダウ平均 USD 33,999.04 +18.72(+0.05%)
 NASDAQ総合  USD 12,965.342    +27.219 (+0.21%)
 S&P500     USD  4,283.74 +9.70(+0.22%)

8月18日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、前日の終値を小幅に上回った。前日に発表された7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録内容から利上げペースの減速が鑑みられたことが、投資家心理を上向かせた。一方で、相場の過熱感から利益を確定させる売りが優勢となり小幅な上昇に留まった。

債券
 米国債10年 2.886%(-0.009)

商品
 NY原油(WTI) 1バレル=USD 90.50 +2.39(+2.71%)(9月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,771.2 -5.50(-0.31%)(12月渡し)
 

【日本】米ドル 時間外の米長期金利の動きが影響

為替(17時)
8月18日の東京外国為替市場は、大きな動きは出ていないものの堅調な取引となった。

米ドル・円は、朝方は米国での取引の流れで135.13円まで値を上げていたが、利益確定売りが出て、この日の安値134.74円を付けた。時間外の米長期金利が低下した影響も大きかった。その後は、時間外の米長期金利が上層し米ドル買いが強まると、この日の高値135.43円を付けた。しかし、昨日の高値と昨日の一目均衡表雲上限の135.50円が上値抵抗線(レジスタンス)として意識されると米ドル売りに転じ、17時時点では135.29円となった。

ユーロ・米ドルは、時間外の米長期金利の低下から、この日の高値1.0193ドルを付けた。その後は、米ドル・円で米ドル買いが強まると徐々に値を下げ、この日の安値1.0146ドルを付けた。その後は小幅に持ち直し17時時点では1.0161ドルだった。

ユーロ・円は、大きな動きは出なかったもののユーロ・米ドルで値を下げると、この日の安値137.16円を付けた。その後はすぐに値を戻し、17時時点では137.48円で取引されている。

債券
 国債先物・22年9月限 150.28 (-0.20)
 10年長期金利 0.195%(+0.015)

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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